「盛り込みすぎ」の補正予算、問題点はどこにあるのか
ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務める「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日15時~17時、火~金曜日15時~17時35分)、12月22日の放送にジャーナリストの二木啓孝が出演。「補正予算で物価高に一息つけるのか」をテーマに、2025年度補正予算案と物価高の関係性を解説した。
鈴木敏夫(文化放送解説委員)「2025年度の補正予算、先週16日に参議院本会議で与党などの賛成多数で可決成立しました。高市総理の掲げる『責任ある積極財政』の方針のもと、一般会計の歳出は物価高対応や成長戦略投資で膨らんで、合わせて18兆3034億円と。新型コロナウイルスが発生して以降で最大となりました」
長野智子「すごい金額ですけど、補正予算をどう見ますか?」
二木啓孝「盛り込みすぎ! なんでもかんでも全部ぶっ込んでしまっている、というところですね。そもそも補正予算というのは、毎年決まっている本予算で足りなかったぶんを補助する、という位置づけ。天変地異があった、コロナがあった、みたいなことで。18.3兆円の中で項目を見ると、危機管理投資、成長投資などが入っている。短い臨時国会の中で議論のしようがない。こういうのを入れ込んで、補正といえるのかなと」
長野「本予算のほうの項目ですよね」
二木「これって景気対策という名の本予算でしょう、という感じです」
長野「具体的に物価高対策も盛り込まれてはいますね」
二木「はい。項目では皆さん、ご存じのように電気・ガス料金の補助、年間1家庭7000円ほど。自治体が自由に使える景気対策費、重点支援地方交付金といいます、2兆円の中に特別に食料品対策でお米券などを入れました。ガソリンの暫定税率も1リットル25円下げますよ、年収の壁も引き上げます、ということです」
長野「はい」
二木「項目からすると『いろいろやってくれている』。我々国民はどう見ているか、ということが今朝の読売新聞に出ています。高市さんの支持率が7割、と。高いなと思います。『補正予算を評価しますか』は6割が評価する、と。しかし『いまの物価高、家計に負担を感じますか』という質問には85%が『感じる』……」
長野「具体的に問題点はどこですか?」
二木「まず電気・ガスの補助や地方自治体、お米券関連などありますけど、そういうことが我々の手元に届くのか、というとものすごく遅い、ということ。ガソリンもいま下がりつつある。1リットル150円台のところも出ている。いままでの補助金でやっていて、整理してきちんとするのが来年の4月以降。決まったから来年から明るいぞ、というわけではない」
長野「はい」
二木「次に、恒久的なものではないということ。子供1人当たり2万円というのも、次の財源はどうするの、と。1回きりか、ずっと続くかは財源の問題になる。財源でいうと、18.3兆円の補正予算、どこから出ているか。6割が国債なんです。新しく11.7兆円の国債を発行する。恒久的に行うなら、発行し続けなくてはいけない、という問題がある。最後にいちばん大きな点です。円安が物価や賃上げを追い越していく、ということ」
長野「そうなんです。国債の追加発行がその背景になっている、という」
このあとも補正予算に関して、二木の解説が続いた。詳しくはradikoのタイムフリー機能で確認してほしい。
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