薄毛でも清潔な人は魅力的。韓国の「薄毛治療の保険適用」案、個性を隠す必要あるのか
ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務める「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日15時~17時、火~金曜日15時~17時35分)、12月24日の放送に毎日新聞論説委員でノンフィクション作家の小倉孝保が出演。韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領が、薄毛治療の健康保険適用を検討するよう指示した、という話題について解説した。
小倉孝保「(韓国・李在明大統領が、薄毛治療の健康保険適用を検討するよう指示した件について)BBCとかが少しおもしろおかしく取り上げているんですよ。アジア人ってそこまで薄毛、抜け毛のことが気になるのか、という感じで。恐らく韓国は美容に関心が高い国でしょう。見た目を大切にしている。この話が出てきた背景には、大学を卒業した若者なんかが、就職するとき、髪の毛が薄いと自信がなくなる、みたいなことがあるみたいです」
長野智子「わからなくもない」
小倉「李在明大統領はこう言っているんですよ。『昔は薄毛治療を美容の話だと思っていたが、最近は生存に関わる問題と受け止められているようだ』と。たとえばアプリで女性に選ばれるときも薄毛より髪の毛あったほうがいい、みたいなことが若者の間で広まっているんじゃないですかね」
長野「ルッキズムという言葉が流行って、見た目をなんだかんだと言うのはヤメましょう、という流れになっているのに」
小倉「問題になっているのは、薄毛の話について保険適用するかどうか、ということです。李在明大統領は、そこまで困っている人がいるなら、したらどうだ、と。飲み薬や頭をポンポンとする薬なんかを。それが病気かどうか、ということです。薄毛はたとえば遺伝や加齢による現象ですよね。ストレスだと円形脱毛症みたいなものは日本でも韓国でも保険適用されている。それは治療なんですよ。病気での抜け毛は保険適用されるんです」
長野「遺伝的なものにも適用するか、ということか」
小倉「あと年齢が行ったから薄くなるものに対して。ある意味で個性、自然現象です。それに対して議論している」
長野「すごく難しい問題なのに、なぜ李大統領は保険適用にこだわり始めたんですか?」
小倉「22年に大統領選挙に出たときから、公約の1つにしていたらしいんです。でも今年の大統領選では、しなかった。なぜ急に言い出したんだ、という批判もある。来年が統一地方選挙らしい。薄毛の人が多いから、その人たちの票が入るからじゃないか、と批判している人もいるんです。ストレスの円形脱毛症なんかは、ある程度治療して、ストレスがなくなれば治る。遺伝の場合は叩いたり塗ったり飲んだり、ほぼ一生しないといけないと」
長野「健康には害がないから相当、厳しい案件だと思います」
小倉「基本は健康なんだから。薄毛でエネルギッシュな人はたくさんいますからね」
長野「格好よく、髪の毛を全部剃っている人もいます」
小倉「欧米に頭髪が薄くて堂々と生きていて格好いい人、いっぱいいるでしょう。外国人の友達に聞いたことがあるんです。日本人は隠すけど、なぜそちらは堂々としているの、と。そうしたら『個性で、隠すことはない』。外国にも薄毛治療はあるらしいけど、アジア人からすれば割合が低い。彼らは薄毛かどうかよりも、不潔にしているか清潔にしているか、というのを重視するんだ、と。『薄毛でもいつもキレイにしている人は魅力的に感じる』と言われたんですよ。なるほどな、と思いました」
長野「そうですねえ」
小倉「毛が薄いなんていうのは変えようがない。多様性じゃないけど、いろいろな人を受け入れる社会に。毛が多いほうがいいからごまかそう、薄毛はイヤだ、面接でマイナスになるんじゃないか、などと考えなくてもいい社会にしてほしいな、と思います」
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