第2次トランプ政権が2025年、日本に与えてきた影響

第2次トランプ政権が2025年、日本に与えてきた影響

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大竹まことがパーソナリティを務める「大竹まことゴールデンラジオ」(文化放送・月曜日~金曜日11時30分~15時)、12月25日の放送にジャーナリストの浜田敬子が出演。2025年に起きた国内外の出来事について解説した。この記事ではアメリカのトランプ政権や、同政権が日本に与えた影響について語った部分を紹介する。

大竹まこと「今年もいろいろありました。浜田さんが気になっていることをお話しいただきたいと思います」

浜田敬子「1月の第2次トランプ政権発足は、国内にも関係があって。これによって世界のルールがすごく変わってしまった。日本はトランプ関税の問題もありましたし。私の専門分野であるジェンダー問題でいうと、トランプ政権になって反DEIというのが始まった。いままで人種的マイノリティや女性に対して、アメリカはアファーマティブアクション、というのをしていて。行動的差別を解消してきたのを、一切やめてしまおうと」

大竹「ねえ」

浜田「それによって白人の男性が機会を奪われていたんだと。その人たちが取り残されて。トランプ支持者に多いわけです。実力本位でやればいいんだ、といって、ダイバーシティという言葉がアメリカで使えなくなっているんです。大学の研究でもダイバーシティという関連の研究費が削除されるなど」

大竹「多様性を認めない」

青木理「厄介だなと思うのは、アメリカが相対的に力は落ちてきたとはいえ、世界最大の圧倒的な覇権国で。軍事面でも圧倒的な強国です。そのアメリカでああいう政権が生まれて、ジェンダーの問題、ダイバーシティの問題もそうですけど、関税も含めてメチャクチャする。そういうときに高市さんが空母で飛び跳ねる、韓国もそうだけどトランプさんの機嫌を損ねないようにして。現実政治として必要なのかなは思うけど、そういうのばかり見せられると基本的な人間のモラルみたいなものが、ね」

大竹「権力を握ったら何してもいいんだ、となってしまう」

浜田「排外主義的な動きが今年、日本で高まりました。アメリカの影響も少なくないと思います。トランプ政権によって移民がさらに差別されたり、狙い撃ちされて強制送還されたりしている。モラルの低下みたいなところが各国に広まっていて。日本でも外国人差別みたいなことが、『これって言ったらまずいよね』という閾値(しきいち)が下がった気がします」

青木「全員が全員ではないでしょうけど、シェイムレスというかね。恥の精神は人間を制御させるもので。感覚が違うのかもしれないけど、恥ずかしくない、と思う人が為政者の立場になって、ある意味、人間の本能むき出しになる、ということが是とされてしまう。何十、何百年かあとの歴史家が『あれが転機だった』となりそう」

浜田「アメリカは救いがあるな、と思うのは、いまトランプ大統領の支持率が下がってきていることですね。来年の中間選挙は共和党が負けるかもしれないといわれている。ニューヨーク市長に当選したマムダニという、人種的にもマイノリティで世襲でもない左派の人が若い人たちの支持を集めている。こういった揺り戻しが起きているのはアメリカの底力かな、と。かたや日本は右にどんどん寄っていく。揺り戻しというかバランス感覚がちゃんと保てるのか、というときにそういう動きがなかなかないかな、と」

青木「ヨーロッパも、シリア、アフリカなんかもそう。ドイツのメルケルさんなんかが典型的だったように、移民を相当、人道的な配慮で入れたわけです。ヨーロッパ各国は外国人の居住者が10、15%、20%ぐらいになっている。そのバックラッシュで排外主義が出ていると。アメリカなんかはもともと移民国家です。日本の場合は難民をそこまで受け入れているわけではないのに、バックラッシュだけ起きる、という」

浜田「女性だってそんなにね。アメリカは女性の管理職比率が41%なんですよ。だから男性たちが、女性が管理職になってイスがなくなった、と言うのはわかる。日本はまだ13%なのに。アメリカのバックラッシュを利用しているんですね」

「大竹まこと ゴールデンラジオ」は午前11時30分~午後3時、文化放送(FM91.6MHz、AM1134kHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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