覚醒した世代トップランナー青学大・折田壮太 自ら真価を問う第102回箱根駅伝

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青山学院大学の箱根駅伝三連覇へのキーマン、折田壮太がこの秋ついに覚醒した。

全国高校駅伝のエース区間、1区で日本人最高タイ記録(当時)で区間賞。須磨学園高校から鳴り物入りで青山学院大学に入学した折田は1年目の2024年度から活躍を期待されたが、ケガなどの影響もあり、三大駅伝の出場は11月の全日本大学駅伝(3区5位)一本だけに終わった。

年度が替わり、2年生となった折田は2025年10月の第37回出雲駅伝で大きな転機を迎える。2区走者の折田は6位でフレッシュグリーンの襷を受け取ると、まさかの区間10位の走りでチーム順位を5つ落とすことに。この結果、全日本大学駅伝のメンバーから事実上外れることになった。

「100%消化できた」という夏合宿の疲労が抜けきらなかったとはいえ、突きつけられた現実に折田はメンタルとフィジカルの両面で見直しを迫られた。「正直、逃げ出したくなる時もありました」と振り返るほど悩み抜き、「どうして箱根駅伝に出たいのか」と自らに問いかけた。そして、駒澤大学・桑田駿介や東洋大学・松井海斗ら同年代のライバルと「戦いたい」、「高校時代のように切磋琢磨を続けたい」というモチベーションの軸にたどり着いた。一方のフィジカル面でも出雲駅伝から試行錯誤の連続だったが、その中で、自らのアイデアで辿り着いた「ジョグの在り方」を変えることで光明を見出した。「今までは単に速いペースで行っていたジョグを1キロごとに必ずビルドアップしていくように変えました。初めはそこまで速くなくてもどんどんどんどん距離を重ねていくごとに前のラップよりも必ずペースを上げるようにする。それが自分の体にすごく合っていたというか、感覚としてはどんどん良くなりました」と振り返る。

心身ともに充実した状態で迎えた11月、ようやく世代トップランナーが眠りから覚めた。
11月9日、宮古サーモンハーフマラソン。期初、全日本大学駅伝に出場するスケジュールの中で行動していた折田はチームメイトが多数出場する世田谷246ハーフマラソンのエントリーに間に合わず、この宮古サーモンハーフに出場することになった。勝ち切ることを目標に挑んだこのレースで折田は見事、優勝。タイムは1時間2分14秒だった。そして11月22日、「久しぶりに自分自身に期待するようなワクワクした気持ちでスタートラインに立てました」と振り返ったMARCH対抗戦、初の10000m公式戦で最終4組3着ながら、27分43秒92。青学新記録は同組1着の黒田朝日(27分37秒62)に譲ったが、折田のタイムは鶴川正也(現GMO)が2024年に出した旧青学記録27分43秒33に肉薄する素晴らしいものだった。

MARCH対抗戦終了後、原晋監督は頬を緩ませながら「折田の復活が嬉しいですよね。これまで力強い走りが失われていたので、今日は本当に良い走りをしてくれました」と語っている。

覚醒した世代トップランナーは自身初出場となる今回の箱根駅伝でどんな姿を見せてくれるのだろうか。

12月上旬、恒例の選抜合宿中、「客観的に見て、折田選手はどんな選手ですか?」という質問をぶつけてみた。その質問の回答は折田の口からスラスラと、且つ自然に、決意の言葉になっていった。

「自分から見て自分自身はまだ危なっかしいなっていう風には思います。やっぱり出雲駅伝はああいう風な結果になってしまったので、駅伝で覆さないとずっと意識の中にあるものだと思うので、この箱根駅伝で上手く走れるかどうかは来年のシーズン、さらにこれからの陸上人生において、すごく大事なポイントになるんじゃないかなと考えています」

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