【第102回箱根駅伝】國學院大學・前田康弘監督〜復路終了後インタビュー〜
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――6区の後村光星(3年)が早い段階で3位中央大学に一旦追いつく展開になりました
「上りに強く、特に入りが得意な選手を起用しました。そこがうまくハマって、狙い通りの展開になったと思います」
――今回、チームの完成度はベストでしたか?
「今回は感染症などもなく、しっかり準備できたことが大きかったです。これ以上求められると今のチーム状況では厳しいというくらいまでは出せたと思います」
――2区と3区を走った上原琉翔主将(4年)と野中恒亨(3年)はプレッシャーを感じていた?
「プレッシャーの影響はかなりあったと思います。ものもらいができたり、急に食道が痛いと言い出してCTを撮りに行ったり。おそらくストレスとプレッシャーです。この二人はコンディション的に少し良くなかった。特に野中は、性格的にも『悪い』とは絶対に言わないタイプで、後輩にも弱いところを見せたくなくて抱えていたんだと思います。結果的にストレスに負けてしまった部分があったのかなと感じています。逆に言えば、その二人以外はほぼ完璧に近い仕上がりでした」
――戦いを振り返って、青山学院大学の強さをどう感じましたか?
「復路組の調整を見た時点で、『これは勝負できる』という手応えがありました。実際、復路はある程度勝負になったと思います。ただ、それをさらに上回ってくる青山学院さんが本当にすごかった。正直、脱帽です。こちらとしては総合10時間40分くらいが“勝てるライン”だと思っていました。でも青山学院さんが10時間37分を出してきたのは想定外でした」
――青山学院大との差を埋めるために、今後必要なことは?
「やはり基礎のベースを上げないといけない。青山学院さんは基礎のベースが高いから、最初から攻められる。守りに入る区間がないです。すごい戦いを勝ち抜いてきたレギュラーがスタートから攻めてくる。こちらは復路で(5000m)14分30秒を目安にさせていて、どちらかというと相手の崩れを待っていた。でも崩れずに8区、9区、10区までそのまま押し切られた。原監督が求めているレベルは相当高いですし、監督が見ている位置が一段上なんだと思います。もちろんチームの能力や潜在能力を把握したうえでやっているからこそだとも感じます」
――青山学院大学の黒田朝日(4年)選手の走りについて
「やはりすごかった。5区の3分の差が大きかった。しかし原さんはそこをすぐキャッチして、来年もまた高いレベルで勝負できるように組み立ててくると思います。あの人の見ている位置は本当に鋭いです」
――来期に向けての展望
「今回、5区で髙石樹、9区で野田顕臣と1年生を2人起用できたのは大きかったです。来期の即戦力になれる選手も3人います。飯國新太(2年)、尾熊迅斗(2年)と同じくらいの選手があと3人います。あのレベルなら十分戦える。ただ、総合優勝を目指すなら“もう一個、二個上”の選手層を作らないと、青山学院さんには勝てないということもはっきり分かりました」
――2区の展望について
「野中は2区にも行けると思っています。来年入ってくる1年生も相当いい。そうなれば往路は埋まる。5区は髙石で強化していきたい。69分切りを目標に。原さんとも話したんですが、『69分半はいける』らしいんです。68分台は、早稲田の工藤慎作(3年)も城西の斎藤将也(4年)も行かなかった領域で、そこは相当な世界。その領域に挑戦できるのは、まず1年生である程度上れる選手だと思います。原さんにも『いい出会いがありましたね』と言われました」
――“出会い理論”という話もありました
「僕と原さんの理論は“出会い理論”なんです。山は走力を磨けばある程度までは伸ばせますが、おそらく70分ちょっとくらいが限界。69分台を出す選手というのは出会いが必要です。実は今、高2の選手の中にも『上れる』子がいて、スカウトしています。そういう選手同士を競わせながら、先を見越して作っていかないといけない。来年ももっと戦ってやろうと思っています」
――國學院のチームカラーについてはどう考えていますか?
「國學院は、中央の平均タイムや早稲田のスーパーエースのような“突き抜けた存在”と比べると、パンチがないと言われやすい。どちらかというとアベレージ型のチームなので。見ている人はやっぱり突き抜けた選手を見るのが好き。アベレージが高くても“金太郎飴”(どこを切り取っても似たり寄ったり)みたいだと、魅力が伝わりにくい。ドジャースの大谷選手のように象徴になる存在を作らないといけないなとすごく感じました」
――来季、青山学院大学を止められる存在になれますか?
「実力は分かってもらえたと思います。必ずもう一回、『青山学院さんを叩くのは國學院だ』と言えるようにしたい。四連覇させるわけにはいかないです。
――卒業する主力3人の穴についてはどう感じていますか?
「抜けるのは青木瑠郁、高山豪起、上原琉翔の3人。この3人が大きいのは間違いないです。区間賞クラスが2人いますから。でも、1〜2年生でも今回2人走らせましたし、能力がある選手なら伸ばせます。中心となる野中も残りますし、飯國と尾熊もそれなりにしてくれると分かった。あとはここからもう一段階、二段階上げること。今のの2年生世代も4〜5人いるので、そこを上げたいですね」
――野中は突き抜けた存在になれるか?
「野中も今回、相当悔しい思いをしたと思います。来年はやってくれると思っています。3区で59分台くらいの気持ちで走ってほしい。彼は都道府県対抗駅伝に選ばれているので、2週間後にまたレースがある。その後は宮古島駅伝でまた青山学院さんと戦いたい。原さんとは飲もうと約束していますが、その前にまず戦いたいです。宮古島駅伝も三連覇を狙います。野田も入れますし、勝ちに行きます」
――改めて今回の“2位”という結果はどう受け止めていますか?
「今の力を素直に出し切れたこと自体がすごく大事だったと思っています。そこ以上を求めすぎるのは違う。悔しいかどうかというより、ここがマックスという力を出して、それが2位だったということ。順位ももちろん大事ですが、勝つために必要な要素をまた検証していく必要があります。去年は『山、山』と言われて、実際にそこが課題だった。今年はそこに力を注いで成果も見えた。これを継続していくこと。そして全日本から箱根までのルーティンがようやく見えてきた。原さんはルーティンを持っている。こちらも自分のパターンを持たないと、ピーキングを合わせられません。今回はピーキング自体は合っていました。そこの技を指導側が磨くしかないと思っています」
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Information
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『文化放送新春スポーツスペシャル 第102回東京箱根間往復大学駅伝競走実況中継』
1月2日(金)・3日(土) 7:30~14:30 *全国33局ネット(放送時間は異なる場合があります)
▼1月2日(金) 往路
ゲスト解説:山本歩夢(國學院大學OB、旭化成陸上部)
ゲスト解説:吉田響(創価大学OB、プロランナー、サンベルクス陸上部)
移動解説:柏原竜二(東洋大学OB、「2代目・山の神」、『箱根駅伝への道』ナビゲーター)
総合実況: 斉藤一美アナウンサー
▼1月3日(土) 復路
ゲスト解説:田中悠登(青山学院大学前キャプテン、FBC福井放送アナウンサー)
ゲスト解説:篠原倖太朗(駒澤大学前キャプテン、富士通陸上競技部)
移動解説:柏原竜二(東洋大学、二代目山の神、『箱根駅伝への道』ナビゲーター)
総合実況: 寺島啓太アナウンサー
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この記事の番組情報
文化放送新春スポーツスペシャル 第102回東京箱根間往復大学駅伝競走実況中継
2026年1月2日(金)・3日(土) 7時30分~14時30分
3連覇を狙う青山学院大学、全日本の勢いそのままに“二冠”へ挑む駒澤大学、歴代最強クラスで初優勝に挑む國學院大學、30年ぶりの王座奪還を期す中央大学、そして在感…