イランでデモの犠牲者多数、通信遮断。緊迫走った理由を探る

イランでデモの犠牲者多数、通信遮断。緊迫走った理由を探る

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ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務める「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日15時~17時、火~金曜日15時~17時35分)、1月14日の放送に毎日新聞論説委員でノンフィクション作家の小倉孝保が出演。「緊迫するイラン情勢」をテーマに、反政府デモで多くの犠牲者が出ていると報じられる、イランの現状を解説した。

長野智子「(イランは)ネットも落ちていて、電話もつながらないようですね。小倉さんはどういうふうに情報を?」

小倉孝保「基本的に外国のメディアのものを読んだり、毎日新聞の同僚から聞いたりしています。確かにいまイランの中で取材するのがすごく難しい。でもネットが遮断される前は違って。先月28日からデモが始まっていますが、当時、それほど厳しい規制はかかっていなかった。そのころは情報が入ってきていた。人権団体から出る情報や、ロイター通信なんかが報じるところでは、想像以上の犠牲者が出ている感じです」

長野「そもそも先月28日ぐらいから悪化してきた?」

小倉「もともと28日はテヘランのバザール商人たちが物価高、あまりに激しいインフレに抗議して、平和的にデモをしていたんです。それに恐らくイランの現体制に不満を持っている人たちが集まるようになって。治安部隊と衝突して、徹底した弾圧を治安部隊がしていると。その情報が拡散されることでイラン全土に反政府デモが起こった、ということですね」

長野「理由は経済、ということですか?」

小倉「とっかかりは経済なんです。物価高、公式の年間インフレ率が42%。食品に限ったら70%なんです。一部の生活必需品は110%値上がりしている。110%上がるというのは、倍以上ですからね」

長野「いま日本は2、3%ぐらいでもすごく(インフレのことが言われる)」

小倉「なぜかといえばイランのリヤルが、対ドルで急落しているんです。1、2年前と比べて8割、ドルのほうが高くなっている。外国のものを買うときに高くなる。日本と同じで、それが極端に出ている。だからバザールの商人たちはモノが売れない、外から買おうとすると高すぎる。平和的に抗議をしていたけど、そこにもともとの政権に不満を持っていた人たちがいるわけです。たとえば若い学生なんかは1979年のイラン革命のことを知らない」

長野「はい」

小倉「イランって若い人たちがすごく多い国で。いま生まれたら、気がついたときにはイスラム体制ができていて。イスラムの考えにのっとった国づくりで。非常に自由が制限されるわけです。服装規定にしてもそう。もっと自由がほしい、と若者が感じるのは当たり前の話なわけです。あと女性ですね。イランは女の人が基本、髪の毛を全部、隠さなければいけない。僕がイランに何度か入ったときも、うちの妻は日本人だけど頭を隠さないといけない」

長野「私も行って、わかりました。でもイランってサウジなどと違って、前髪で遊ぶような女性もいませんでしたっけ?」

小倉「前髪だけじゃなく、ほとんど隠していない人もいた。それが最近、もっと隠せ、となった。経済が悪いと不満が高まるから、弾圧のほうに向かう。規制を厳しくする方向に進む。そういうところに先月28日のデモがあった。そこに皆が集まって、政府に対する抗議行動、テヘランの北部ではハメネイ氏に対して強烈な批判をすることまで起きている」

長野「はい」

小倉「僕が行っていた2000年代初めなんかは政府に対する抗議はしても、ハメネイ氏だけは口に出すことも怖がっていましたから。ハメネイ氏への抗議は、このイスラム体制を転覆させようと考えている、そういうメッセージととらえられてもおかしくない。そういうことがいま、イランで起きている、ということです」

「長野智子アップデート」は毎週月曜~金曜午後3時~5時、文化放送(FM91.6MHz、AM1134kHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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