高市早苗首相の円安をめぐる発言の問題点
ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務める「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日15時~17時、火~金曜日15時~17時35分)、2月4日の放送に経済評論家の佐藤治彦が出演。高市早苗首相による神奈川県川崎市の演説での発言について、経済の視点から解説を展開した。
長野智子「1月31日に高市早苗首相が川崎市の演説で『円安で悪いと言われても、輸出産業には大チャンス』『外為特会の運用もホクホク状態』といった発言をし、みずほ銀行のエコノミストの方が警鐘を鳴らすようなことを発表していました」
佐藤治彦「みずほ銀行が総選挙期間中に与党の首相に対して、疑念を持ってレポートを出す。前代未聞です。ビックリしました。そして書いてあることが正しい。ものすごく抑えよう、抑えよう、と書いている。でも勘弁してくれよ、という思いが噴出してきている」
長野「短めに紹介します。みずほ銀行の、高市演説を受けての『危うい現状認識』。5ページにわたっています。要約すると今回の高市発言が円安容認だったかどうかは本質的な話ではない。それよりも為替が修正されれば日本企業の行動変容が劇的に期待できる、という前時代的な価値観が温存されている可能性のほうが気になった。外為特会が果たして有事の際に温存されておくべき弾薬と理解されているかどうかも気がかりだった、と」
佐藤「これも高市政権の1つの問題点というか。総理が答えてくれなければ、ということですけど。アベノミクスって果たして正しかったのか。あれで経済はうまくいって、日本は良くなったのか。そのときの積み残しや、当時はしないといけなかったけど、いまとなっては問題点として膨らんでしまいましたね、ということ。第2次安倍政権は非常に長かった。経済政策もそれまでの日本と比べると逸脱したところが多かった。それに対する高市総理の距離感というか、考え方。これを問いただしてもらいたいな、というのがあるんです」
長野「はい」
佐藤「安倍政権時代は円高でした。だから日本のいろいろな企業が海外に、強い円で投資した。日本国内の産業空洞化が起きた、これが問題であると。円安になれば輸出企業が得するし、海外に投資するのは高くつくから、日本国内に戻ってくるでしょう、と。がんばってどんどん円安にしたけど、戻ってこなかった。それどころかどんどん出ていってしまった。失敗だったことは数字を見れば明らかでしょう、とみずほ銀行は言っている」
長野「そうですね」
佐藤「それなのにまだ円安って得だと思っているんですか、首相。見てくださいよ、ということです。外為特会は円高のときはいっぱいドルを買うし、円安のときにはドルを売る。これが基本的なスタンスです。円高のときに安く買ったドルがいっぱいあるから、儲かってホクホク、と言ってしまった」
長野「はい」
佐藤「じつは外為特会で得た利益の一部はいまでも国に予算として出しているんです。残っているのは、万が一のときに備えたお金だけ。手を出すわけにはいきません。高市さんはこうした発言によって、円安容認と世間的に思われて、また円安になったでしょう」
長野「そうなんですよね」
佐藤「円安になって影響が出てくるのは早くて3ヶ月、それから半年の間といわれます。高市発言のあと、影響がこの春からどんどん出てきて。(このままでは)また物価高になりますよ」
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