「平和評議会」設立。トランプ米大統領の思惑を各国が警戒か
ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務める「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日15時~17時、火~金曜日15時~17時35分)、2月11日の放送に毎日新聞論説委員でノンフィクション作家の小倉孝保が出演。パレスチナ自治区、ガザの和平や復興を監督する「平和評議会」が1月に設立されたことを受け、その実態について解説した。
長野智子「そもそものどのような経緯で『平和評議会』が誕生したのでしょうか」
小倉孝保「ガザ紛争が2年間続きましたね。去年10月にいったん停戦で合意したんですけど、その前にアメリカのトランプ大統領が『停戦させる』と。させたあとは、こういうかたちでガザを恒久平和に導いていくんだ、という20項目を発表している。その1つが平和評議会をつくること、と。しかも20項目というのは去年11月に国連の安全保障理事会で決議までされているんです。国際機関としてオーソライズされている」
長野「はい」
小倉「それをもって今年1月のダボス会議のときにトランプさんが、いよいよ平和評議会をつくりました、スタートだ、と打ち上げて。こういうものだから皆、参加してくれ、と60ヶ国ぐらいに招待状を出した、ということです」
長野「なるほど。イメージは投資プロジェクトのように聞こえる。実態はどうなんですか」
小倉「憲章草案というものがあって。平和評議会はこれこれ、こうするものです、ということをトランプさんは公式に明言していないんです。各国に示しているから、それをもとにメディアが報じている。読めばデタラメ極まりない、と思う」
長野「本当に」
小倉「議長はトランプ氏が務める。参加国も選定する。国連が先導するわけでもない。トランプさんが好きな国を選んでいる。ロシアも、ベラルーシも招待している。意思決定、評議会で何をどうしますよ、というのもトランプさんの承認が必要になる。各国の代表が話し合ってもトランプさんが『必要ない』と言ったらできない。『えっ?』と思ったんですけど、『議長の任期は定められておらず、トランプ氏が大統領を退任しても続けられる』と」
長野「永久、ということですね」
小倉「国連の安保理決議に則ってつくる国際機関なんですよ。そこのトップが終身。国の肩書を外したあとも続けられる。そんなことってありますか」
長野「ダボス会議でカナダのカーニー首相が批判して、トランプさん怒ったでしょう」
小倉「カナダは招待されていたけど、カーニーさんが『ミドルパワー結集せよ』みたいなことを言って。招待されて手を挙げているのはトランプさんに気を使っている、あるいはトランプさんのことが好きな国。ハンガリー、アラブなど、トランプさんとビジネスを一緒にしている国。一方でヨーロッパの国はすごく慎重というか後ろ向きですね」
長野「はい」
小倉「まったく解せないのが、もともとガザの平和について、どうしていきますか、というのを監督する機関として安保理が認定しているわけです。なのにこの憲章草案にはイスラエルやガザといった言葉がひとつも入っていない。草案の中に書いてあるんです、『紛争の脅威にさらされている、あらゆる地域における永続的な平和の確保について監督する』と」
長野「はい」
小倉「国連のグテレスさんも釘を刺しましたよ。すべての地域の安全について決められる、強制力を持っている機関は国連の安全保障理事会のみです、というのを強調している。フランスのマクロン大統領は、招待されているけど『国連の原則や組織を尊重する観点から疑義が生じる。国連に代わる組織をトランプさんはつくろうとしているのでは』と疑っている。ヨーロッパの国々はこぞっていま、参加を見送っている、あるいは表明していない。日本も招待されているけど、高市さんはまだどうするか、という話はしていません」
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