分岐点を迎えた五輪。ミラノ・コルティナ大会が「初物づくし」になった理由

分岐点を迎えた五輪。ミラノ・コルティナ大会が「初物づくし」になった理由

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ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務める「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日15時~17時、火~金曜日15時~17時35分)、2月12日の放送に元・日刊スポーツ編集局長の久保勇人が出演。大きな分岐点を迎えているという冬季五輪、さらに五輪全体が抱える問題について解説した。

久保勇人「今回(ミラノ・コルティナ五輪)、まず開会式が4ヶ所に分かれて同時に行われました。ああいうことって初めてです。聖火もミラノとコルティナ、2ヶ所で点火されました。オリンピックは少し前まで憲章で、1国1都市で開催すると規定されていたんです。オリンピック離れが進んでいるということで、改定して。今回初めて複数都市で開催していい、という大会だったんです」

鈴木敏夫(文化放送解説委員)「広島と長崎が一緒に開こうとしていましたもんね」

久保「4都市13会場にまたがっています。どれぐらいの規模か、日本でたとえると東京、長野、東北エリア、といった部分で行なっているわけです。コンパクトだった東京オリンピックに比べると、いかに広域かがわかります。開会式が分散したことで、選手も分散して。入場行進がおかしくありませんでしたか?」

長野智子「選手がいない、国旗だけ、など。選手は楽でいいですよね」

久保「競技会場の近くで行進できるので、いいと思います。開会式だけでも初物づくし。初めてといえば昨年6月に就任したIOCの新会長、カースティ・コベントリーさんにとっても初の本大会です。皆さん、東京オリンピックのときのバッハさんのイメージが強いでしょうけど、昨年、任期を終えられて。130年以上の歴史を持つ巨大組織の中で、コベントリーさんは初めての女性、初めてのアフリカ(ジンバブエ)出身者、就任時41歳で最年少だった(現在42歳)、という会長です」

長野「それまでのイメージが変わりますよね」

久保「高校在学中の2000年、シドニーオリンピックで、ジンバブエの競泳選手として初めて準決勝に進出したことで話題となっています。当時、現地で取材していたので、会長になられたときはビックリしました。6歳と0歳の子のお母さんでもあります」

長野「いいですねえ」

久保「自分が選手出身というのもあるでしょう。開会式で選手に向けて、『あなた方がこれから2週間、夢を追い、挫折から立ち上がることで人とは何かを示してくれるだろう。これは五輪の魔法なんだ』と呼びかけて。それから大会前の会見で『五輪はいま、あり方を見つめ直す分岐点にいる』と。分岐点という言葉は昨年、就任して以来、ずっと使っていて」

長野「はい」

久保「オリンピックは新しい時代にどう適応するか考えるときが来ているんだ、と。4つの作業部会を立ち上げて、未来に向けて持続可能性のあるモデルをつくっていこうとしています。オリンピックは1984年のロサンゼルス大会で商業化に舵を切って、現在のかたちが続いてきました。そのかたちが持続可能性に赤信号を灯すことになった、ということです」

長野「お金のあるところしかできないよ、みたいな感じになって」

久保「特に夏の大会、巨額のコストですね。運営費だけで数千億円といわれます。それに伴うインフラ、施設の建設などで、兆円単位のお金がないと開催できない、と。1都市で支えきれないので、立候補都市がどんどん減った。たとえば04年のアテネ五輪を選ぶときは11都市が立候補したけど24年のオリンピックを決めるときはパリとロサンゼルスしか名乗りを上げなかった。だから24年はパリ、28年はロサンゼルス、とセットで決めた」

長野「うん」

久保「32年の夏は立候補都市で争うのではなく、オーストラリアのブリスベンにIOCが『あなたのところでどうですか』と。指名するかたちだった。それぐらいオリンピックを開催することの負担は大きくなっているわけです」

「長野智子アップデート」は毎週月曜~金曜午後3時~5時、文化放送(FM91.6MHz、AM1134kHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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