参議院は国会の二軍ではない。衆議院との違いを解説
ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務める「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日15時~17時、火~金曜日15時~17時35分)、4月2日の放送にノンフィクション作家の常井健一が出演。新年度予算審議でブレーキ役を担ったとされ、「良識の府」とも呼ばれる「参議院」について解説した。
鈴木敏夫(文化放送解説委員)「高市早苗総理がアクセル全開で『年度内成立!』を目指した新年度予算審議で、ブレーキ役を果たしたのが参議院といわれます。そもそも参議院は衆議院と何が違うのか。いまさら聞きにくい『参議院とは?』ということについて伺います」
常井健一「高市政権が発足してそろそろ半年ということで。総理の弱点ってなんだろう、と考えたときに思い出したことがあります。白河法皇の天下三不如意です。どんな権力者でも思いどおりにならないものが3つある、という話で。平安時代には鴨川の水、すごろくの賽(さい)、比叡山の山法師でした」
長野智子「それが天下三不如意」
常井「では高市さんにとって天下三不如意とは何か。1つはマーケットでしょう。為替も金利も物価も政権の思いどおりには動いてくれません。2つ目はトランプ大統領。3つ目が参議院では、と思っています。1強他弱に戻ったように思える国会において、今回の予算審議を見てみると、決定的だなと感じることがありまして。高市さんのひとり相撲を止めた参議院こそが丸ごと最大野党といっても過言ではないのでは、と」
長野「ほう」
常井「実際に参議院では与野党が拮抗しています。参議院自民党は高市さんと温度差があるわけですから。向こう2年は国会論戦の主戦場は参議院になる、ということです。でもニュースの主役ってだいたい衆議院ですよね。政権選択選挙は衆議院といわれ、総理は衆議院から選ばれる、と。それもあって予算も法案も最後は衆議院の優越、という憲法の決まりがあります。参議院はどうしても国会の二軍に見えてしまうんですね」
長野「でも、そうではない、という話ですね」
常井「歴代の政権を本当に困らせてきたのは参議院なんです。石破さんも衆議院選で議席を減らしたのに、退陣に至ったのは参議院選でした。2000年代に安倍、福田、麻生とドミノのように首相の顔が変わったときも、衆議院で与党は3分の2だった。でも参議院は与党が少数だったから一瞬で崩れた。なぜそうなるのか。参議院で与党が盤石でなければ予算も法案もすんなり通らない、と」
長野「うん」
常井「すると政権の勢いが鈍り、支持率も落ちて。与党内からも文句が出る。つまり政権の首を真綿で締めあげているのが参議院の魔力、ということ。衆議院が与野党対決の最前線だとすれば、参議院は与野党が折り合う合意形成の場です。衆議院の行き過ぎを抑えて、足りないところを補う。もう一度考え直す機会を与えられる。『良識の府』と同時に『最高の府』とも呼ばれます。まさに今回の予算審議がそうで。衆議院は与党によって、かなり速いペースで進んだ。自民党から出ている予算委員長が職権を19回も行使して審議をどんどん前に進めて。野党から『議論が足りない』という声も上がったけれど押し切りました」
長野「ねえ。ひどかった」
常井「しかも昨年末の予算編成時には想定されていなかったような新しい政治課題がどんどん出てきた。そういう中で参議院がブレーキを踏んだ、与党少数だから持ち前のチェック機能が発揮された、ということになるんです。でもここで、さすが良識の府だね、と話を終えてしまうと参議院をずいぶん美化することにもなってしまう。むしろ参議院ってかなりクセの強い議員の集まり、ということを忘れてはいけないんですね」
このあとはさらに参議院のことを、その歴史から常井が解説した。詳しくはradikoのタイムフリー機能で確認してほしい。
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