収蔵する場所が足りない、管理も大変。日本の博物館の危機

収蔵する場所が足りない、管理も大変。日本の博物館の危機

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ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務める「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日15時~17時、火~金曜日15時~17時35分)、4月9日の放送に元・日刊スポーツ編集局長の久保勇人が出演。「博物館の危機」をテーマに、資料が溢れて収蔵しきれなくなってきている、という日本の博物館について解説した。

長野智子「(日本の博物館の危機について)深刻なんですか?」

久保勇人「けっこう深刻です。博物館やそれに類するものって全国に4500ぐらいあるんですね。日本博物館協会という統括団体があって。5年ごとに博物館の実態調査を行っています。2024年に実施した最新の調査結果を先月末に公表していて。その中で収蔵庫、つまり資料をちゃんと保管しておく場所、これが90%以上埋まっている、と答えた館(かん)が4割あった。入りきらない資料がある、と答えた館が2割半」

長野「はい」

久保「3館に2館が収蔵の限界に達している、という状況です。日本博物館協会が報告書に『状況は極めて深刻である』とまとめています。場所が足りないから、外にも倉庫を借りるといった方法もあり得るんですが、そういうことをしているところも3割ほどしかない」

長野「ええ……」

久保「いま、あなたの博物館の課題はなんですか、と聞くと『収蔵スペースの不足』が77%以上でした。『施設の老朽化』が80%以上。いずれも前回、5年前の調査と比べて5%~10%ぐらい割合が増えているんです」

長野「年月が経てば経つほど、そうなりますね」

久保「日本博物館協会の専務理事である半田(昌之)さんに話を伺いました。現場はどういう状況ですか、と聞くと『もう収蔵庫以外のいろいろな場所に資料がはみ出している館は珍しくありません』。それから『場所がないから新しい資料を受けないように』と、管轄する自治体などから言われている。『入りきらないものは捨てるのもひとつの手段』という話をしているところも少なからずある、ということです」

長野「それでも捨てる基準が、ね」

久保「本来は引き受けるときにちゃんと整理して『これは未来に残す価値があるから』と選別したうえで預かるかどうか判断すべき。でも人も予算も足りないから、まずは引き取るしかない、という状況に陥っている館も多いわけです。もう少し調べてみると、基本、博物館って、いったん引き受けたものは捨てられない。増えていくばかりの施設であると。上野にある国立科学博物館、ここの資料数は500万点以上です」

長野「はい」

久保「ところが毎年、数万点ずつ増えているそうなんです。新規の受け入れを断念せざるを得ない、というケースも少なくない。『国立科学博物館』と聞くと上野の博物館のことを思い出しますよね。あそこに展示されているのは、博物館が持っている資料の1%未満でしかない、と。残りの99%以上は茨城県つくば市にある収蔵庫に収められているんです。すごく立派な建物ですが、ほぼ一杯になっていて」

長野「あらま」

久保「新しい資料を引き受けるとき、選別作業のためにプレハブの建物で一時保管する。必要だと判断すると収蔵庫に入れる、という段階を踏むはずなんですが、スペースがない。そのため一時保管の建物に保管し続けている、という状況もあるそうです。収蔵庫も温度管理、湿度管理を24時間365日、欠かしてはいけない。電気代の高騰なんかをカバーするのが大変なんですね」

このあとも久保が、日本の博物館の現状について解説した。詳しくはradikoのタイムフリー機能で解説してほしい。

「長野智子アップデート」は毎週月曜~金曜午後3時~5時、文化放送(FM91.6MHz、AM1134kHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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