マンホール好きの声優・古賀葵さんにインタビュー 「マンホールの魅力とは?」

マンホール好きの声優・古賀葵さんにインタビュー 「マンホールの魅力とは?」

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人気アニメ『かぐや様は告らせたい?~天才たちの恋愛頭脳戦~』の主人公・かぐや役を務め、声優アワードの主演女優賞を受賞するなど、声優として活躍する古賀葵さん。彼女の魅力はそれだけではありません。マンホールに夢中で、そのデザインや歴史的背景に深く興味を持っています。そんな古賀さんに、マンホールの持つ魅力とマンホールへの愛を伺いました。

――そもそも、古賀さんがマンホールの魅力に気が付いたきっかけから教えて下さい。

古賀葵:6~7年前にお友達と静岡県の伊豆に旅行した時、キンメダイが描かれたデザインマンホールを見つけたんです。キンメダイが2匹、左右に描かれているデザインで、その直ぐ近くには、伊豆の地図が描かれているマンホールも見つけました。「こんな風に全然デザインが違うものがあるんだ」と気が付いて。それから、平仮名で「おすい」とか「うすい」と書いてあるものもあって、「なんだこれは?」と気になりだしたんです。

――かれこれ6~7年、マンホーラー(=マンホール愛好家)なわけですね。

古賀葵:マンホーラーとしては、まだビギナーだと思うんです(笑)歴の深い方やマンホールを見る為に様々な土地に足を運んでいる方もたくさんいらっしゃるので。そういう方たちから比べたらまだまだです。先輩たちに習って、もっとマンホールを知っていきたいと思っています。

――デザインマンホールは、年々増えているんですか?

古賀葵:そうですね、「ウルトラマン」や「鉄腕アトム」のように、マンガやアニメのキャラクターが描かれたマンホールもあって、色んな世代に楽しんでもらえるような工夫がされていますね。元々あったデザインを新しくするケースもあります。デザインは、自治体で考えているものもあれば、一般公募で決まるものもあったり、本当にいろんなマンホールがありますね。

古賀葵

――古賀さんはマンガ(『マンホール戦記アオイ』小学館)の原案もされていますけど、マンホールのデザインをされたことはあるんですか?

古賀葵:一度、マンホールについて熱く語れる番組(『新・古賀葵のこがさんぽ。』ニコニコ生放送)をやらせていただいたことがあって、その中で、「一般公募があるから応募してみよう!」という話になったことがあります。それで、参加させていただきました。

――結果はどうだったんですか?

古賀葵:惜しくも選ばれませんでした。でも、すごく楽しかったです。もしかしたら、自分のデザインしたものが公共の場に設置されるかもしれないっていう期待がありますし、選ばれなかったとしても、どういうデザインになったのか実際に見に行きたくなりますし、とてもいい企画だと思いました。

――ちなみに、古賀さんが応募されたデザインはどんなものだったのでしょうか?

古賀葵:コアラとフクロウをデザインさせていただきました。姉妹都市を組んでいる街だったので、その土地の木や花とデザインを組み合わせてみたんです。でも、もっと素晴らしいアイデアに溢れたデザインがあって、そちらが選ばれました。

――マンホールはデザインもさることながら、雨の日にも滑りにくいなど、機能的でないといけませんよね?

古賀葵:そうなんです!完成するまでには、とてつもない時間と労力がかかっています。手作業であれほど美しく出来るのは、やはり日本の技術の素晴らしいところだなって思いますね。日本のデザインマンホールほど凝っているものって中々ないと思うので、本当にすごいなって思います。もちろん海外のマンホール事情の全てを知っているわけではないんですけど、その土地の特色などが表現されているマンホールは、日本特有だと思います。

――マンホールは、マンガやカードにもなるなどと広がりを見せていますが、『マンホールカード』は古賀さんも集めていらっしゃるんですよね?

古賀葵:はい。私がなかなか各地のマンホールを見に行くことが出来なかった時に、先ほどお話したマンホール番組の視聴者の方々が「うちの地元にはこういうのがありますよ」と送ってきてくださいました。それがきっかけで、番組で「全国のマンホールカードを集めてみよう」という企画をやらせていただいたんです。そしたら全国の方々が送って下さって、すごいことに、700枚以上のカードが集まりました。私一人ではこれほどの数を集めることはできなかったので、本当に皆さんのおかげです!その時は、マンホールカードは第13弾まで出ていて、そこまでを集めていたんですけど、その後も新しいデザインのカードが次々と出ているので(2023年7月28日から第20弾を配布)、まだまだコンプリートは大変そうです。本当にコレクター心をくすぐるものになっています。

――『マンホールカード』もマンホールの楽しみ方の一つですが、他にはどんな楽しみ方がありますか?

古賀葵:お仕事で日本全国に行かせていただくこともあるので、どんなマンホールがあるか探しながら歩いて、写真を撮るのも好きです。あと、友人や知人が、「うちの地元にこんなマンホールがあるよ」って写真を送ってくださることもあって、その写真を眺めたりしていますね。それから、以前、新宿で開催されたマンホールのフェスに足を運んでグッズを集めたり。そのフェスでは、トートバッグにマンホールのデザインを魚拓のようにプリントできて、自分だけのマンホールのバッグを作れたんです。

――お家にはマンホールグッズがたくさんあるんですか?

古賀葵:マンホールカードのコレクションとか本がありますね。あとは、マンホールの実物が欲しいです(笑)

――欲しい?(笑)手に入れる事が出来るんですか?

古賀葵:古くなって使われなくなったものが、販売されることがあってそれはちょっと欲しいなって思っています。特にお気に入りのデザインのものが出たら、お部屋に飾りたいなと(笑)

――お気に入りのデザインとおっしゃいましたが、イチ押しは?

古賀葵:うわ~迷うなぁ~(笑)やっぱり、私がマンホールに興味を持つきっかけになった、伊豆のキンメダイのデザインも好きですし。それから、私の故郷の佐賀県には、マンホールの工場があるんです。その佐賀のマンホールで1番好きなのは、ムツゴロウと有明海の干潟の波が描かれているやつですかね。ムツゴロウが元気にピョン!と跳んでいる姿がすごく可愛くて。あとは、名古屋市にあるアメンボのデザインも好きです。一般公募によってデザインされたものなんですが、アメンボは水がキレイなところじゃないと住めないんです。そんなアメンボが水の中を覗き込んでいるデザインになっていて、とても凝っているなぁと思いました。そんな風にデザインの理由を知るとさらに面白くなるし、よく考えて作られているんだなと感心しますね。東京なら国分寺のロケットのデザインかな。種類もたくさんあります。あとは、日野市の土方歳三さんのマンホールも好きです!

――古賀さんは、旅先でもマンホールを探して目線は斜め下ですか?

古賀葵:そうですね(笑) もちろんちゃんと周りの景色も見ながらですが、その土地でしか見られないマンホールを見るのが趣味になっています。

――マンホールを上手く撮影するコツはありますか?

古賀葵:やっぱり真上から撮りますね。あと、撮っていると周りの邪魔になるかなって思うので、あらかじめカメラを起動しておいて、「ここだ!」っていうポイントでパシャって。歩きながら撮るのも、最近身に付けた技です(笑)

――通行人への配慮もマンホーラーとしての嗜みですね?

古賀葵:はい、皆さんが立ち去ってから、ゆっくりパシャって撮ったり。通行人の邪魔になってはいけないので。

――マンホールが好きすぎて、日常で幸せを感じる瞬間はありますか?

古賀葵:マンホールのマンガの原案を担当させていただいたり、こうしてマンホールのお仕事が出来たりするのはやっぱり嬉しいですね。

――現在開催中の「TOKYOデザインマンホールデジタルラリー2023」は、マンホーラーの心をくすぐるイベントなんじゃないですか?

古賀葵:その土地に行って、マンホールの写真を撮って、ポイントを獲得してっていうのがすごくいいなと思っています。『ポケモン GO』みたいな感じで楽しいなと。以前から、こうした地域に密着したイベントが出来ればいいなと思っていたものが実現したので、最高に嬉しいことですね。子供から大人まで楽しめますし、全国各地にあるので、自分の土地の歴史も知れたりしますし、下水の大切さも学べるのでいいなって思います。

――改めてマンホールの魅力について、マンホーラーとして情熱を持つ方や未来のマンホーラーに向けてメッセージをお願いします。

古賀葵:なんといっても最大の魅力は、直径約60cmの丸い枠の中に、その土地の名所や特徴、地域の皆さんが愛しているものが、美しく目を引くように詰まっていることです。それでいてしっかりとマンホールの蓋としての機能も果たすように計算された、すごい芸術だと思います!とにかく愛が詰まっています。マンホールのデザインにあわせてマンホールカードを見ることで、そのデザイン背後や意味をさらに深く理解できますから、より愛着が湧くだろうなって思います。まずは地元のマンホールを探していただくことからスタートして、是非、デジタルラリーにも参加していただいて。マンホールを通して日本のことが好きになれるとも思いますので、皆さんにもこの魅力を感じてもらいたいですね!!

◆古賀葵(こが・あおい)
8月24日生まれ、佐賀県出身。81プロデュース所属。第14回声優アワード主演女優賞を受賞。主な出演作品は『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』(四宮かぐや)、『ひろがるスカイ!プリキュア』(エルちゃん/プリンセス・エル/キュアマジェスティ)
https://www.81produce.co.jp/

◆TOKYOデザインマンホールデジタルラリー
都内のデザインマンホールや観光スポット等巡り、スタンプとポイントを集めて豪華賞品を当てよう!
【開催期間】
令和5年7/11(火)~令和6年3/31(日)
https://tokyo-manhole2023.com/

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