
懸賞推理ドラマ『5月病殺人事件』【アーカイブの森 探訪記#45】
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「過去の放送で5月に何か面白い企画をしていないかな?」と思い、資料を漁っていると、
昭和62年(1987年)の資料に、懸賞推理ドラマ『5月病殺人事件』という記述を発見した。
ミステリー好きな自分としてはかなり興味を惹かれる題名である。
土曜のレギュラー番組「ナイト&ラブ さだまさしのセイ!ヤング」内での企画で、
3週に渡り、犯人当て懸賞推理ドラマ『5月病殺人事件』を放送。
さだまさしさんの語りで進行し、文化放送の出演者やアナウンサーからの証言を元に、
スタジオで構成作家が死体となって見つかった事件をリスナーが推理していく内容だ。
ただのミステリーラジオドラマではなく、リスナー参加型で、文化放送というフィールドを上手く利用して、いろいろな関係者を登場させてくるのはとても面白い試みだと感じた。
現代ならSNS上で考察が盛り上がりそうな企画である。
勝手に考察をするのであれば、
深夜のラジオ局は、深夜の生放送の関係者と警備員以外はほぼおらず、
入館証で出入りを管理しているため、容疑者は絞られる。
しかし、逆に言えば、人気が無いので犯行を目撃される可能性が低く、
ラジオのスタジオは防音性も高いので、犯行時の物音も聞かれる心配はない。
後は局内の監視カメラをいかに欺けるかだろうか。
キーになってくるのは間違いなく関係者の証言だと思うが、
証言者は果たして真実を語っているのか、勘違いしている事実があるのではないか、
『5月病殺人事件』の「5月病」は何を意味しているのか、
是非とも当時の音源を聞いて推理をしてみたいものだ。
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