
『積極的な財政政策』に慎重な石破政権と『利上げスタンス』の日銀
5月13日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、火曜コメンテーターで上武大学教授の田中秀臣氏と番組パーソナリティーの寺島尚正アナウンサーが、石破首相に要求された消費税減税について意見を交わした。
恒久的な消費減税ができないってことは石破政権は悪い政権なんですよ……
5月12日の衆院予算委員会集中審議で、立憲民主党など野党は消費税減税を石破茂首相に相次いで要求した。社会保障費の財源となる消費税の減税に政府や自民党執行部は否定的な考えを崩していない。首相は答弁で「消費税の減税だけの話をするのは無責任な議論だ」と指摘する一方で、「全く(減税を)検討していないことはない」と明言を避けた。
夏の参院選に向け、物価高や米政権の高関税措置を受けた経済対策に消費税の減税を盛り込むかが焦点になっている。自民を除く主要政党は消費税減税を目指す方針だ。
この日の衆院予算委で、立民の大西健介氏は「石破政権は、雨にぬれて震えている国民に傘を差さないのか」と、消費税減税を検討するかどうかただした。首相は、立民が主張する食料品の消費税率を時限的に0%とする案について「一番困っている方々に措置することになるのか」と慎重な姿勢を示した。
(寺島アナ)「石破首相、消費減税するか明言は避けましたけど、方向的にはなにか分かって来た感じがします。いかがでしょうか?」
(田中氏)「方向的には全然わからないんじゃないですか?石破政権は消費減税について反対なんじゃないですかね。だから減税に“一番困っている方々に措置することになるのか”とか言って、また低所得者向きの給付金でお茶を濁す可能性はありますよね。今までも毎年毎年、補正予算を組んでるわけですよ。その中でやらなくてもいいような、各省庁から持ち出している色んな基金だとか対策で何兆円も予算を計上しているわけです。その時の財源とか責任云々の議論はないわけですよ。消費減税で全部ゼロにしても20兆円くらいですか?それくらいの規模の補正予算で毎年やっているわけですから、半分の10兆円くらいの規模で消費減税を毎年やっていく感覚で良いんじゃないですか?ということは今の自民党の発想の中でも恒久的な消費減税は可能ですよ。それができないってことは、自民党のなかでも石破政権は悪い政権なんですよ」
田中氏は、立憲民主党の大西健介氏の指摘を評価。
(田中氏)「大西さんも昔は私と同じような主張をしていました。リフレ派に理解のある人なんですけど、結局は民主党に染まった人なんであまり僕は評価していない人なんですが、“石破政権は、雨にぬれて震えている国民に傘を差さないのか”という認識は正しいと思いますよ。だけど立憲民主党の減税案も時限的ですよね?」
(寺島アナ)「そうですね。1年です」
(田中氏)「たった1年じゃあ、あまり意味は無いと思いますね。やはり恒久的な消費減税が重要であることは間違いないと思います。それと同時にポリシーミックスと言いますか、財政と金融政策が同じ方向を向かないといけないと思うんです。財源は国債発行で財源を生み出していき、国債はどこが吸収するかというと究極的には日銀ですから、日銀が金融緩和をするってことですよね。でも今は利上げスタンスにこだわっているから、それができないわけです。石破さんは積極的な財政政策については慎重、日銀は利上げスタンス。こんなことやっていたら日本経済は本当におかしくなりますよ!同じような状況はリーマンショックのときにもあったんです。リーマンショック前は麻生政権ですけど、なんか財務省の緊縮政策みたいなものと利上げスタンスだったんです。その結果、日本経済は非常に困難に落ち込みました」
〈出典〉
消費減税、各党要求に石破首相「無責任な議論」反論も「検討していないことはない」 | 産経新聞(https://www.sankei.com/article/20250512-OWXYSWNLIBO45EKLPEQA6TSYBI/)
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