評価したいが問題もある年金制度改革法案

評価したいが問題もある年金制度改革法案

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ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務める「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日15時30分~17時、火~金曜日15時30分~17時35分)、5月15日の放送に元内閣総理大臣補佐官の矢田稚子(やた わかこ)が出演。16日に国会へ提出される見通しの年金制度改革法案について解説した。

長野智子「最初に(年金制度改革)法案全体について。どう評価されていますか?」

矢田稚子「年金は財政検証を5年に一度行なっていて。今後に向けて改正する、と。かなり前から審議が繰り返されてきました。年末ぐらいに、ある程度固まっていたんですけど、ゴタゴタとありまして。年金改正法を出せるのか、となっていたんですけど、結果として『出す』という決断をしたこと、これからしっかり審議をしていただけることは評価したい」

長野「ポイントを教えていただけますか?」

矢田「皆さんもご心配かと思いますけど、政府や自民党の中で、内容の調整が難航してきた、ということは事実で。ようやく明日5月16日、国会に提出される見通しとなりました。まず衆議院で審議が行われ、可決したのち参議院に送られ、もう一度審議をしていくことになります。ただ提出されたものを見ると、一部、先送りしたようなものもあります」

長野「はい」

矢田「野党側からは特に基礎年金を底上げする措置、難しい言葉でいうと『基礎年金のマクロ経済スライドの早期終了』が今回、見送られることになった。それが問題だということで修正を求める声がある、というのは事実です」

長野「あんこのないあんパンだ、と野党側が言っています」

矢田「ご存じのとおり氷河期世代の対策になるので、やらなくていいのか、ということはやはり、今後の審議でも論点として出てくるのかな、と。でも与党としては来週、審議入りして来月22日までの国会の中で成立したい、という思惑でやっていくことでしょう」

長野「なんで基礎年金の底上げが削除されてしまったんですか?」

矢田「説明が難しいんですが。氷河期世代の方々は非正規労働、使われている期間が短い、厚生年金も払っていたけど、もともとの賃金が低かったりやめている期間があったり。将来もらう年金が低いんじゃないか、と言われて。特に厚生年金に入っていない方々も多いので、基礎年金だけだととてもじゃないけど生活していけないと。今回、そういう目論見から底上げする法案を出そう、としたんです」

長野「はい」

矢田「私も必要な政策だと思って、年末ぐらいまで厚生労働省の皆さんとも『やりましょう』とお話をして。ただ調整する中で、その財源はどうするか、となるわけです。それを一部、国から。もしくは厚生年金を納めている方のところから持っていこうか、となった」

長野「はい」

矢田「これから貯金ももらうことになっている方々の厚生年金を一部下げて、それを財源にしましょう、という案が示された。その対象となる方々から『なぜ俺たちが減らされるの』という声が出ますよ、それをまた調整することが必要なんじゃないか、という論議にもなって。保証しろ、ということもあって揉めました」

「長野智子アップデート」は毎週月曜午後3時30分~5時、火曜~金曜午後3時30分~5時35分、文化放送(FM91.6MHz、AM1134kHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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