
トランプ政権ハーバード大との契約打ち切りへ…佐藤優がトランプの狙いを解説
アメリカの主要メディアは27日、アメリカ連邦政府がハーバード大学と締結する調査や研究、研修などのすべての契約を打ち切る方針だと伝えた。総額は推定およそ1億ドル(約144億円)で、トランプ政権は対立が続くハーバード大学への圧力をさらに強めるとみられている。
野村邦丸アナウンサーがパーソナリティを務めるラジオ番組『くにまる食堂』(文化放送・月曜日~金曜日9〜13時)5月28日の放送は、このニュースを取り上げ、元・外務省主任分析官の佐藤優氏がトランプ氏の狙いを解説した。
野村邦丸(パーソナリティ)「このニュース、いかがですか?」
佐藤優「トランプはそういうスタイルの人です。アメリカの格差は、投資銀行のファンドマネージャーと先生や看護師とどれくらい違うかというと5000倍違うんです。これを、アメリカのマイケル・サンデル氏は5倍~10倍にしろと言っている。アメリカの平等感覚ってそのくらいなんです。それで、超金持ちを生み出しているのが、ハーバード大学出身者だから、それをいじめるというのは、ものすごくポピュリズムには効くんですよ」
邦丸「ハーバード大学側は、お金を出してもらえないときついのでは?」
佐藤「ハーバード大がマイナスを受けてるのかというと、私はそうじゃないと思うんです。今のお金が144億円でしょ。ハーバード全体としては、たいした金じゃない。アラブの大富豪や中国の金持ちから簡単に取れる。となると、トランプ政権と無縁で学問の独立を維持しているというブランドが上がる。かえって大学の評判が上がってお金が集まるかもしれない」
邦丸「そういうものなんですね」
佐藤「とにかくこれは、シンボルを巡る闘争です。トランプはアメリカのエリートと戦っているんだというイメージを作りたい。それがうまくいってるんじゃないですか?」
邦丸「ハーバード大を攻めれば、トランプ支持者は増える?」
佐藤「そうです。トランプ支持者が増えて、より強固なものになる。ちなみにこれは、ハーバードだけの話で限定的です。プリンストン大学でもイェール大学でも良かったんです。たまたまトランプが態度が悪いと思ったのがハーバードだった。トランプというヒグマが歩いてて、ガン付けたな?と、こんな感じです。他の大学は目を合わせないように注意してたんですけど、ハーバードは睨んじゃった。トランプはどこか1カ所はやってやろうと思ってたんです。これが、トランプのやり方です」
「くにまる食堂」は平日朝9~13時、文化放送(FM91.6MHz、AM1134kHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。
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