
村尾信尚「イスラエルとイランの武力衝突の背景にあるものとは?」
イスラエルがイランの核関連施設を先制攻撃することで始まった両国の武力衝突。6月17日の「くにまる食堂(文化放送)」では、関西学院大学教授の村尾信尚がこの問題について語った。
村尾「イギリスの諜報機関MI6のトップを務めた方で今、国連大使をやられているジョン・サワーズさんの文章によると、今起きているイスラエルとイランの武力衝突の大きな背景にはアメリカが徐々に中東から手を引き始めた。その力の空白の中で取り残された中東諸国は自分の国は自分で守らざるをえないという意識が凄く高まる中で起きた一つの現象ではないかと言っています。さらにサワーズ氏が指摘しているのはイスラエルの諜報能力。ピンポイントで軍の幹部を攻撃したり、重要施設を攻撃している。それも場合によってはイラン国内からドローンで軍幹部の自宅に攻撃をしている。これはイスラエルが極めて高い諜報能力を持っているからできることだと言っています。また、イランがこれからも核開発を続ける意思があるのであればイスラエルは間違いなく定期的に草を刈るようにイランを攻撃していくだろうとも言っています。サワーズ氏によるとイランの今の政権はイラン国民に不評で不満が高まっていて、イランの中でもリベラルな人たちは1978年に起きたイラン革命以降、イスラム中心になって大幅に進歩が阻害されたとみているそうです。サワーズ氏は今回の武力衝突を契機にイラン革命政権の崩壊にまで繋がりかねないというようなことも言っています。ただ崩壊に繋がった後、イランに親米・親欧政権ができるかというと、そう考えない方が無難だということで、もし仮にイラン革命政権が崩壊したとしても、今のシリアが辿ったような混乱が相当続くのではないかと言っています。
番組では村尾信尚が、この他にもイスラエルとイランの問題について語っています。もっと知りたいという方はradikoのタイムフリー機能でお楽しみ下さい。
「くにまる食堂」は平日午前9~13時、文化放送(FM91.6MHz、AM1134kHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。
※タイムフリーは1週間限定コンテンツです。
※他エリアの放送を聴くにはプレミアム会員になる必要があります。