内藤剛志が大阪・関西万博の大屋根リングの上から考えた、今の世界情勢について。

野村邦丸アナ「アメリカのトランプ大統領は18日、イスラエルと交戦するイランに最後通告をしたと明らかにしました。ただこの通告の内容、方法などの詳細は説明しませんでした。トランプ大統領はアメリカ軍によるイラン攻撃については『やるかも知れないし、やらないかも知れない』と語り、明言を避けています。イスラエルとイランとの交戦については、次の1週間が非常に重要になると指摘しました。こうした中『ニューヨークタイムズ』は18日、『イランがアメリカ側との会談を受け入れる意向だ』と報じました。会談ではイスラエルとの停戦やイランの核開発が議題になるとしています。一方で『ウォールストリートジャーナル』は『トランプ大統領は側近に対し、イラン攻撃計画を証明したと伝えた』と報じています。ただ『イランが核開発計画を放棄するかどうかを見極めるまでは、実行に移さない』としております。このイランとイスラエルの情勢もトランプさん次第になってきているということなんですが、いろいろニュースに接していて圧倒的な戦力の違いっていうのが、イスラエルはやっぱり航空戦闘機にしても爆撃機にしても圧倒的な戦力を持ってるんだけど、イランは昔の旧ソ連時代の戦闘機とかを整備して今でも使ってるっていう話もありますので、イラン国内の上空制空権……要するに上に上がった飛行機での交戦というのは圧倒的にイスラエルが強い。そのための準備は随分前からイスラエルはしていたということですから、戦わずして今のところ現時点ではイスラエルが優勢ということですね。『アイアンドーム』とかっていう、ミサイルを迎撃する防空システムの映像を見ていると凄いですよね。あんなにたくさんのロケットが飛んできてもそれを迎撃するんでしょう？　でもあれ全部落としきれてないですよね。100発来ても迎え撃つミサイルは命中率100%いかないですよ。当たったといっても90発ぐらいです。でもそれが現実にあるってすごく不思議な気がしますし」

内藤剛志「この前僕、大阪・関西万博にまた行ったんですけど、万博ですから、会場には世界各国が一堂に会してるじゃないですか。でまあ交戦してる戦争の国はないのかもしれないけども、こんな小さなところ……つまり2キロで回れる大きい大回廊の中に数多くの国が入ってるわけですね、パビリオンとして。それがなんで戦争してるのかと思うし、あそこに行くと本当に『なんで戦争してんの？』ってリアルにそう思う。これまで小さな国のパビリオンを主に回らせていただいたの。みんなフレンドリーでね。それで別のパビリオンに行くと別の国の方々がまたそこで待っててくれてる。例えばクウェートに行く、チリに行くっていう風にやったんですね。『世界ってこんなに近いじゃん！』と思う。それで実際に各パビリオンにその国の方がいらっしゃって、目の前で料理作ってくれたりとか一緒に踊ったりとか。そこから出ると目の前にアメリカ館があったりフランス館があったりするわけで。僕がパビリオンを回ってたその1日に何人が……言葉選ばずに言いますよ？　何人が戦争で死んだのかと思いました」

邦丸「はい」

内藤「それはドローン攻撃だったり、ミサイルが飛んできたのかは分からないけども『実際今誰かが亡くなってるんだな』と。亡くなるってことはその人の周りに10人100人の人がその人のことを知ってるわけだから、どれほどの悲しみがあるのかと。戦争の理屈って関係ない人たちには気持ちはちょっとわからないけど、実際その前線にいる人たちにはリアルな話ですからね。命の取り合いでしょう？　『万博へ行く旅』って言い方はおかしいけど、不思議な気がする。だって大回廊から見ると全部見えるんですよ。みんなで楽しくやってて。隣の館に並んだらまた違う国の人にすぐ出会えるんですよ。『誰が戦争してんねん』って話ですよね。2人のけんかならば簡単に『辞めようか』って言えるじゃないですか。国同士になるとそうはいかない。そう単純なものじゃないんでしょうけどね。万博に行って、そのことをすごく僕は実感しましたけどね」

「くにまる食堂」は平日朝9～13時、文化放送（FM91.6MHz、AM1134kHz、radiko）で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。