歴代でまだ2人だけ。イランの最高指導者とはどういう地位か

歴代でまだ2人だけ。イランの最高指導者とはどういう地位か

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ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務める「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日15時30分~17時、火~金曜日15時30分~17時35分)、7月9日の放送に毎日新聞論説委員の小倉孝保が出演。後継問題が世界の今後にも影響してくるであろう、イランの最高指導者について解説した。

小倉孝保「イランの外交を見るとき、おもしろいというか、ほかの国と違う見方をしないといけないところがあって。外務省が、駐日大使をされていたアラグチ外務大臣がいろいろなところへ行って、外交的な動きをする。最高指導者が一言、こうだと言ったらそっちに決まっちゃうんです」

長野智子「はい」

小倉「外交で積み上げてきたものが、どこまで政策に結びつくかは、慎重に見ておかないと。ハメネイさんがアメリカと『こうだよ』となったら、超えることってできないかたちになっている」

長野「それはイランの大統領が何かを決めても最高指導者がいるとすべて?」

小倉「そう。1979年のイランの革命のとき、世界で初めて、変わった政体をつくったんです。イスラム共和制といって。共和制って大統領がトップですよね。フランスにしてもアメリカにしても。イスラム共和制はそのうえに最高指導者を置いて。イスラム聖職者、イスラム法学者、わかりやすく日本でいうとお坊さんの有力者を最高指導者にする。スーツ着た、イスラム聖職者じゃない人はなれないんです。聖職者たちの会議で最高指導者を選ぶ。最高指導者は司法、立法、行政、3件の最終決定権があるんです。軍の指揮権も。だからすべての決定権が彼にある、という」

長野「聞いたことがあるんですけど、イランの最高指導者は『ダメよ』と潰すことはできるけど自分で何かしたい、とつくることはできない、と」

小倉「できるかできないかが難しい、というか議論が分かれるところでしょうけど。自分で何かする、ということはほとんどないんです。でも大統領がこうしたい、ああしたい、というとき、なんとなくほのめかしたり、最高指導者がアメリカとの関係はもっと慎重であるべきだ、と言ったらそれに倣って大統領がいろいろしたり、という。一昔前の国王、王政の国王のような感じです」

長野「すごい地位ですよね。ホメイニさんの次がハメネイさん」

小倉「2人しか最高指導者は出ていません。基本は終身です。亡くなるまでやる。いま関心を高めているのは、いまのハメネイさんは86歳ですけど、ホメイニさんが亡くなったのが1989年です。それ以来ずっと努めている、ということですから。高齢で、急に亡くなったときどういう体制ができるのか。欧米との関係をどうしていくか。近隣諸国、特にアラブ諸国との関係をどうするか。最高指導者の考え方次第で相当揺れる。それがあるから今回のイスラエル、イランの12日間の戦争で、一時イスラエルがハメネイさんの暗殺をアメリカに求めたんじゃ、という話があったじゃないですか」

長野「はい」

小倉「トランプさんも『それはやめておけ』と言ったという話でしたね。アメリカにしてみればいまハメネイさんがいなくなったら、ものすごい勢いで反イスラエル、反米感情が高まるというのもあるし、最高指導者がいなくなったとき、イランの国内が大混乱する、というのが困ると思ったのでしょう。押さえつけていたものをポッと開けたとき、受け皿となるものがあればいいけど」

長野「はい」

小倉「もしくは法律できっちりと決まっていればいいけど。次、どういう人が最高指導者になるのか。下手したら権力闘争が起きて、大混乱するんじゃないか、というのがあって相当、関心を高めていたんです」

「長野智子アップデート」は毎週月曜午後3時30分~5時、火曜~金曜午後3時30分~5時35分、文化放送(FM91.6MHz、AM1134kHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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