
【アナコラム】斉藤一美「常識破りの酷暑」
文化放送メールマガジン(毎週金曜日配信)にて連載中の「アナウンサーコラム」。週替わりで文化放送アナウンサーがコラムを担当しています。この記事では全文をご紹介!
▼7月11日配信号 担当
斉藤一美アナウンサー
皆さま、熱中症には何とぞお気をつけ下さい。
私の愛する埼玉西武ライオンズでもエース・今井達也投手が所沢のマウンド上で、セカンドのレギュラー・滝澤夏央内野手は那覇でのゲーム後にそれぞれ症状を訴えて、次の試合出場予定の変更を余儀なくされました。特に今井投手は打者相手の投球が完了していないタイミングだったのでなおさら衝撃的なアクシデントです。
私はマウンドを降りてしゃがみ込み顔を真っ赤にして続投不可能になった彼の姿を実況しながら、チームの勝利を追い求める責任感の塊のような漢がギブアップを余儀なくされた熱中症の怖さを思い知りました。
でも、思い知ったところで防げるとは限らないのです。
先週土曜日、関西方面向けにDeNA×阪神の実況で私が訪れた横浜スタジアムは昼過ぎから熱波が到来していました。
選手や観客と同じ空気を吸ってこそ実り豊かな中継をお送りできるので、放送席と球場を隔てる開閉式の窓ガラスを全て開け放つのは当たり前のことです。この日も私は早い時間からいつものルーティン通り、自分の席に座って実況の準備をひたすら進めていきました。
しかし…少しずつ体力が削られていたのです。気づいたのは試合が始まった時でした。イニングの合間、テーブル上のチョコレートに手を伸ばすとグニャリと溶けていたので”しまった!そこまでの暑さだったのか!”と気づいた時はもう手遅れ。序盤から頭の中も何となくボーッとしてきて、理想のテンポでは喋れなかったのです。
去年までの夏場と同じように振る舞っているのに、初めての経験で戸惑いました。解説の笘篠賢治さんやスタッフがいてくれたおかげでどうにか喋りきることはできたのですが…
①7月初旬にして夏の盛りのような蒸し暑さに体が順応しきれなかった
②自分の体力を過信した
…という仮説を立てれば、ごく軽度の熱中症にかかった可能性もある、と考えています。起床してもグッタリしていた2日後の月曜日は改めて長時間の昼寝をしてどうにか体力を回復させたのですが、常識破りの酷暑に立ち向かわなければならない現実を受け止めざるを得ませんでした。
次に横浜スタジアムで私が実況するチャンスは7/24のオールスターゲーム第2戦。当日の気温と湿度がどうなっているのか想像もつきませんが、放送開始ギリギリまで窓を閉め冷房をガンガン効かせて万全の体勢で本番に臨みます!
【斉藤一美】
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