
フェイクニュースに対応するには?
8月1日(金)、ニュースキャスター・長野智子がパーソナリティを務めるラジオ番組「長野智子アップデート」(文化放送・15時30分~17時)が放送。午後4時台「ニュースアップデート」のコーナーでは、「フェイクニュースに対応するにはどうしたらいいか」というテーマで、白鴎大学教授・元TBSアナウンサーの下村健一氏に話を伺った。
下村健一「実は、日本には国際ファクトチェックネットワークっていうところの審査で認証を得ている専門のファクトチェック機関が3つあるんです。日本ファクトチェックセンター(JFC)、リトマス、InFact(インファクト)、この3つの団体が実は折々に『いまこんな情報出ているけど、判定結果はこうですからね』っていうのを、それぞれのホームページで発表しています」
鈴木敏夫「国際機関から公認されているんですね」
下村「そうです。やっぱりファクトチェックって厳格なルールに則ってやらないと、勝手に『これ、嘘』『これ、本当』ってやっていたら、今度はファクトチェック自身のファクトチェックが必要になっちゃう。だからこれはかなり厳格なルールがあるんですね。それで認定されているところがこの3つなんです。とにかく絶え間なく怪しげな情報が来ますから、実際にこの3つの機関が先月出したフェイクニュース判定情報からご紹介したいと思います」
鈴木「あっ、お願いします!」
下村「埼玉県の川口市で10万票が無効になったっていう話が7月20日、投開票日に流れたんですね。その時流れたエックスの文章をそのまま読みます。『今しがた入った情報です。 川口市で一〇万票無効票が出たそうです。あり得ません。私、先ほどまでさいたま市桜区の開票立会人していたので状況判ります。あるとすれば投票用紙の間違いですね。偶然にしては出来すぎです。故意でしょうか』みたいな感じで『一体これはどんな操作があったんだ?』みたいなことを匂わせるような文章が7月20日の午後5時46分、だからまだ8時まで投票が続いている最中に『もう10万票、無効が出たぞ』というのが流れていたんです」
鈴木「はい」
下村「これはすぐに削除されたんですけれども、削除されてもこれを元にした拡散とかが勝手に広がっていきますから、これがデマのタチ悪いところで、ネタ元が消えても広がり続けちゃうんですね」
鈴木「ですね。で、それが3人ぐらいから入ってきたらね?『やっぱそういうことか』ってなっちゃう」
下村「そうそう。基本的にデマって、ザックリした表現なんですけど、悪意で生まれて善意で広がるんですよね」
鈴木「あー、ほんとそうですね」
下村「良かれと思って広げちゃうっていうのがあるから。これはだから善意で良かれと思って広げないために、私たち、リスナーの皆さんも『聞いた時に何ができるか?』っていうことなんですけども。ストレートに言えば、情報源に問い合わせるっていうことがベストですから、そうするとこの場合は川口市選挙管理委員会に問い合わせるのがベストですが、みんながそれをやったら大迷惑です。その場合はどうするかというと、とにかく万能なおまじない『まだわからないよね?』、これを必ず呟いて一旦止める。で、拡散せずに続報を待つ、これがまず大原則です。一旦止める、これが正しい。漢字で書くとわかります。一旦の“一”と止めるの“止”を上下くっつけると“正”になるでしょ?」
鈴木「あっ、ほんとだ。なるほどぉ」
下村「これ、前回のエンディングでも長野さんに言いましたけど、何度でも言います(笑)。一旦止める。で、続報を待つ。特に続報の中でもファクトチェック機関から出てくる判定がいいですよね。日本ファクトチェックセンターはこの時に『誤り』っていう発表を出しました」
「長野智子アップデート」は毎週月曜~金曜の午後3時30分~5時、文化放送
(FM91.6MHz、 AM1134kHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間
後まで聴取できます。
※タイムフリーは1週間限定コンテンツです。
※他エリアの放送を聴くにはプレミアム会員になる必要があります。
関連記事
この記事の番組情報
