
石破総理がコメの政策の失敗を認め、「コメの増産に舵を切る」と方針表明
8月6日(水)の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、水曜コメンテーター・経済アナリストの森永康平氏と番組パーソナリティの寺島尚正アナウンサーが、政府が昨日、コメ増産に向けて舵を切ったというニュースについて意見を交わした。
森永「農家で働きたい若者のために、農業のイメージを変える『スマート農業』をもっと活用すれば、明るい兆しが見えて来る」
寺島尚正アナ「コメの安定供給へ、政府が増産に向けて舵を切りました。政府は昨日、コメの安定供給に向けた3回目の関係閣僚会議を総理官邸で開きました。石破総理は『コメ政策を抜本的に転換し、増産に舵を切る』と表明しました。事実上の減反にあたる生産調整を見直すといいます。需要の見通しの甘さによる生産量の不足を認めた上で、生産拡大を図り輸出なども積極的に押し進める方針です。コメ生産調整から増産への動き、これ森永さんどうでしょう?」
森永康平「まずそのコメに限らずって話なんですけども、過去にやってきた政策に対して生産量不足、見通しを誤ったというところは認めた上で、『じゃあこれから変えていきます』という話を出したというのは、非常に評価すべきことだと思うんですよね。なぜ先ほどコメに限らずと言った言い方をしたかというと、これちょっと視野を広げてみて経済政策なんかにちょっと当てはめて考えてみると『失われた30年』という言葉はよく使われるわけですけれども、そこに対する経済政策の振り返りっていうのは基本的にあんまりしないというか、なぜ間違ったのか、間違っていたんだとしたらどう直していくのかっていう話をしないまま、結局今までやってきたことをずっと今でもやろうとしている。私が専門にしている経済の観点と比べると、よっぽどまともな動き方だなという風に思いますね。もちろんその生産拡大増産に舵を切った際にも、またやり方次第では例えば農家さんの所得がちょっと不安定になってしまうとか無駄な生産が増えてしまうとか、いろんな問題点では今後新たに出てくる可能性はもちろんあるんですけれども、ただやっぱり過去を総括して、誤っているものを誤っていたと認めた上でだから『こう変えていきますね』っていう、まあ行動習慣ですよね。これをやるっていうのは非常にいいことだなと思いますし、やはり他の分野においても同様のことをぜひやっていただきたいなと思いますよね」
寺島「これ、本来だったら基本ですけどもね」
森永「まあそうですね。やっぱりこう社会人とかになると、必ず先輩とか上司から言われることだと思いますし、スポーツの世界でもそうだと思うんですよ。別に試合で負けちゃってもそれはしょうがないじゃないですか、勝ち負けがあることなんで。じゃあなんで負けたのかっていう分析をして対策をするから次の試合で勝てるようになるわけで。まあ、どの分野でも基本だと思うんですよね。だから『なんで経済政策はこれができないのかな?』っていうのは常に言い続けていた中で、このコメに関してはこういうアクションを打てたっていうのは、これは前向きに評価すべきだと思いますけどね」
寺島「増産によって需給の変動に柔軟に対応できるようにして、農地として利用されない耕作放棄地の拡大の抑止輸出を拡大することに取り組むといいます。米増産のために先端技術を活用するスマート農業の推進ですとか、農地の集積などの経営の大規模化。あと法人化による生産性の向上を図るとしています。スマート農業の推進農家の法人化というこういうことも言われてますね」
森永「大量生産となると、農地の面積を拡大し、生産効率を高めて規模の経済を追求する必要がありますよね。私もこの1、2年、米農家の多い地域を回ってきましたが、よく聞くのは『若者が農業をやりたがらない、担い手がいないと言われるけど、それは違う』という声です。やりたい若者はいるんですが、高齢の農家さんが『自分たちの厳しい環境を若い人に押し付けたくない』と、むしろ継がせないケースもあるそうです。ただ、東北などの地域では、若い人に負担なく農業を継いでもらう方法を前向きに考える動きもあります。スマート農業、例えばドローンや無人トラクター、土壌の水分量や温度を測るデバイスを使って、農業の『汚い、きつい』というイメージを変えようとしている人たちがいます。こうした取り組みを政策で支援すれば、コメ増産に向けて明るい兆しが見えてくると思いますよ」
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