
大阪・関西万博入場券 黒字目安超え 万博キャラが表す“日本の地位”
8月12日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、火曜コメンテーターで上武大学教授の田中秀臣氏と番組パーソナリティーの寺島尚正アナウンサーが、大阪・関西万博の入場券販売が黒字化目安の1800万枚到達について意見を交わした。
世界の中で日本のアイデンティティをどう打ち出すのか?
大阪・関西万博の入場券販売が8日時点で約1810万枚となったことが、関係者への取材で分かった。開幕前に黒字化の目安として設定した「約1800万枚」を超えた。
入場券販売は前売り段階では苦戦していた。開幕前日の4月12日までの前売り券の販売枚数は969万枚で、目標(1400万枚)を大きく下回った。ただ、開幕後に万博に関する情報発信が急増すると、販売も好転。1日平均の販売枚数は、開幕前は約2万枚だったが、開幕後は約7万枚で推移してきた。
ただ、追加費用が発生する可能性もあることから、「黒字化に向けて楽観視はできない」(運営関係者)などとして、日本国際博覧会協会(万博協会)は最終的な販売目標の2300万枚に向け、上乗せを図っていく考えだ。
(寺島アナ)「万博のこの辺り、田中さん、どうご覧になりますか?」
(田中氏)「経済学者なので“万博の意義はいったい何なのか?”と収益性などをよく問われます。今の万博のキャラクターはキモカワ系のミャクミャクですよね?昔の大阪万博はキャラクターとしては三波春夫さんだったと思うんですよ」
(寺島アナ)「あー、“こんにちは♪”ですね」
(田中氏)「“世界の国からこんにちは”は、コンセプト的には“世界の中の日本”なんですよ。三波春夫さんはあの時に革命を起こしたんです。当時、世界の切手の図案にも三波春夫さんが取り上げられていましたけど和服でしたよね?あれって、あの当時としてはレアなんですよ。あれで三波春夫さんはイノベーションを起こしたんです」
(寺島アナ)「そうなんですか!」
(田中氏)「つまり“世界の中で日本のアイデンティティをどう打ち出すのか?”というときに、和服姿で“日本でございます”と打ち出したのは、すごいイノベーションだったんです。そしてミャクミャクも、日本はアニメやマンガに特化したキャラクター大国で、ゆるキャラみたいなものが一般的です。そういった点では、その時々の“世界における日本の地位”を示しているんじゃないか?と思いましたね」
(寺島アナ)「言われてみれば三波春夫さんでしたね。“こんにちは こんにちは♪”ですもんね」
(田中氏)「ただ当時はそれに対するアンチテーゼもあったんですよ。日本はそんなにバラ色ばかりじゃない、と。山田洋次さんが当時『家族』という映画をアンチテーゼで撮ったんですよ。彼は政治的には共産党に近い主張を持っていますから。『家族』という映画は倍賞美津子さん主演なんですが、九州にいる貧しい家族が日本を縦断して、大阪万博にも関わりながら北海道に移転する話なんです。日本全国を見ると、万博に沸き立っているところもあれば、まだまだ貧困もあって経済格差がある。というアンチテーゼをぶつけているんです」
(寺島アナ)「そうだったんですね」
(田中氏)「それに対して今回の万博のアンチテーゼはなんなのか?アンチ維新くらいですかね?今の日本経済も大阪万博で盛り上がっているように見えるんだけど、一方で世界における日本の地位は以前と比べて緩やかに停滞してきている。その中でどう日本の個性を打ち出していくのか?ミャクミャクだけではなく新たな展開。そして日本が抱えている経済的な格差であるとか、イマイチな経済状況は、どういったところに原因があるのか?そういったことを考える機会にしたらいいと、個人的には思っています」
〈出典〉
万博の入場券販売、「黒字化」目安の1800万枚到達…運営費の8割超を入場券収入で賄う計画 | 読売新聞オンライン(https://www.yomiuri.co.jp/expo2025/20250811-OYT1T50043/)
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