
医療機関の経営悪化が深刻化。倒産件数は16年ぶりの高水準
8月14日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、木曜コメンテーターで京都大学大学院教授の藤井聡氏と寺島尚正アナウンサーが、医療機関の経営悪化に関するニュースについて意見を交わした。
藤井氏「病院は潰れたほうがいいという側面があるんです」
医療機関の経営悪化が深刻化している。新型コロナウイルス禍での実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)が償還時期を迎え、返済が重荷となっている。倒産件数は2025年上期に16年ぶりの高水準となった。融資した厚生労働省系の独立行政法人、福祉医療機構(WAM)は返済条件の変更や経営改善支援を急ぐ。
東京商工リサーチによると、2025年上期(1〜6月)の医療機関の倒産は21件だった。前年同期から3件増え、2009年の26件以来の高水準となった。担当者は「コロナ禍や物価高の影響を引きずるなか、ゼロゼロ融資の返済が重荷になって倒産する病院が増えてきた」と話す。
寺島アナ「ゼロゼロ融資が償還時期を迎え、返済が重荷となって、医療機関の倒産が増えているという記事なんですが、藤井さん、これはどう受け止めてらっしゃいますか?」
藤井氏「まず当たり前のことを言っておきますと、概して民間のいろんな施設っていうものが倒産していくというのは残念な話。供給力がなくなっていくから良くないっていう話なんですけど、今回、ここのニュースで重要なのは、今回倒産の話が出てきているのは医療機関なんですよ。これって、普通のラーメン屋とかコンビニとかと全然違うんですよ。医療機関で働いている人の給料ってほとんど国から出ているんですよ。だって、おじいちゃんおばあちゃんが多いからね多いからね? 来る人は。そしたらもう90%は国から出ている。90%公務員なんです」
寺島アナ「はい……」
藤井氏「じゃあ、病院いつ使うんですか? みんな。健康じゃない時ですよね? 健康だったら、日本人が全員健康になったら、日本の医療機関、民間の医療機関は全部すぐ潰れるんですよ。だから医療機関が潰れるっていうのは必ずしも悪いことじゃないんです」
寺島アナ「はぁ〜」
藤井氏「これね、みんな忘れちゃいけないですよ。病院なんて行かないほうがいいんだから。潰れたからって『みんなで病院行ってあげな』って言ったって『いや、なんでやねん』っていう。『暴飲暴食でもして悪くなっちゃって行こうかな』とか『車にぶつかって入院でもしてあげようかな』って、そんなわけないじゃないですか。病院は潰れたほうがいいという側面があるんです」
寺島アナ「側面はある。はい」
藤井氏「でもこれは慢性期医療に関しては。急性期医療に関しては誰も言ってなくても、急に交通事故とかになったら引き受けてもらわなあかんから。その時にためには、いてもらわなあかんという側面はありますよ? 急性期医療はね。慢性期医療っていって、普通の病院は潰れてもいいところがあるわけですよ」
寺島アナ「はぁーー」
藤井氏「元々、コロナ前の病院の赤字率って4割超えてるんです。半分弱が赤字なんですよ。なんで赤字かっていったら、みんなの不健康レベルよりもたくさん病院があるからなんですよ。だからいらんのです、病院。で、コロナの時に赤字率が2割まで激減したんですよ。恵みの雨だったんです、これは。で、コロナが終わったから、やっぱりまた赤字が4〜5割になっていると」
「おはよう寺ちゃん」は平日朝5~9時、文化放送(FM91.6MHz、AM1134kHz、radiko)で放送中。 radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。
※タイムフリーは1週間限定コンテンツです。
※他エリアの放送を聴くにはプレミアム会員になる必要があります。