
「パレスチナ人を効率的に抹消する」大竹まことが専門家にガザ地区の今を聞く
お笑い芸人の大竹まことが同世代や全世代の男女に向けてお送りしているラジオ番組『大竹まことゴールデンラジオ』(文化放送・毎週月〜金曜13:00~15:30)。 8月18日の放送は、皓星社から発売中の『パレスチナ、イスラエル、そして日本のわたしたち 〈民族浄化〉の原因はどこにあるのか』作者である、東京経済大学教授の早尾貴紀氏に話を伺った。
大竹「日本の近現代史からパレスチナ/イスラエル問題を「自分のこと」として考える、という帯がついているご本を、お出しになりました。私どもに届いている資料には、ガザ地区の現状という写真もあって、もうひどい状態。近頃は食べ物も水もなく、痩せてあばらが浮いた子どもの写真。もう見るに堪えないような写真。食料を配布する場所は400カ所が4カ所になって、その4カ所に市民たちが殺到。そこでも、集まった人たちを殺戮しているという話も伝わってきています。今まで、この国の人たちは6万1599人がイスラエル軍によって殺されました。この現状を早尾さんはどんな風にご覧になりますか?」
早尾「2023年10月から一貫してジェノサイドが行われていると言うのは間違いはないのですが、これが報復とか憎悪とかそういうことではなく、パレスチナ人を、いかに効率的に抹消して、ガザ地区を丸ごと抹消できるのかということをイスラエルは周到に考えながら軍事作戦を展開しているのが恐ろしいところです。
ジェノサイドだ、という批判に対してイスラエルは、食料配給をして人道に配慮していると反論するわけです。しかし実は、イスラエルは核兵器まで持つほどの軍事大国で、1日で数万人でも殺せる軍事力を持ってるわけですね。ところがそれをせずに、毎日100人前後を殺し続けている。それが100日で1万人、1年で3万5000人、2年経つと7万人という数字になるわけです。そうすることによってイスラエルは、治安上最小必要限の攻撃にとどめているのでジェノサイドではないとしている。また欧米、日本のわれわれの政府もですけど、それを容認してしまってるわけですね。実際には殺害した人数、6万人とか7万人という数字だけでなく、生活空間まるごとが破壊され、食料、医療、教育、インフラ全てが失われて、病死者とか餓死者が大量に出て、そしてもうガザでは生きていけないということで、避難したり脱出したりということが相次いでいて、死者数だけの報道から見えない、ガザ地区の抹消、民族浄化が起きているというふうに見ております」
大竹「プレスって書かれた防弾チョッキを着た人たちさえ食糧も手に入らない状態が続いていると。最初は、ハマスが人質を取ったということが原因とされていて、「人質を返せ」の逆襲みたいに捉えている人もいると思うんですけども、その辺はどうですか」
早尾「細かい歴史の話を振り返ると時間がなくなってしまいますが、ガザ地区というのは、そもそもイスラエルができた時に、もともと住んでいたパレスチナ人を、たくさん周囲に追放して、難民にして、その結果として難民キャンプがたくさんあるガザ地区ができてしまった。
西岸地区にも、ヨルダンとかシリアにもありますが、とりわけ難民の比率が高いのがガザ地区で、その難民が自分たちの故郷を返せということで抵抗運動するわけですから、逆にイスラエルからすると、難民の存在というのは自分たち国に対する根本的な不安要因。ユダヤ人国家としての存在に対して、抵抗する人たちだということになるので、長い抵抗の歴史と、抵抗を徹底的に弾圧するという歴史は、最近始まったこの2年間の話ではないんですよね。もうイスラエルの建国の時から、とにかくガザ地区はとりわけ目の敵にされてきた、そういう歴史があります」
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