「土俵際で起死回生の一手 石破総理 総裁選前倒しの是非、判断の行方は」

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 文化放送をキーステーションに全国33局で放送中「ニュースパレード」(毎週月曜日~金曜日午後5時00分~5時15分)

 その日に起こった最新の話題を中心に、幅広い分野にわたってニュースを紹介しています。昭和34年の放送開始以来、全国のラジオ局の強力なバックアップで、特派記者のレポート、取材現場からの中継など、今日最も重要なニュースを的確に把握し最新情報を伝え続けています。

 文化放送報道記者として国会、官邸を担当し、日夜取材活動で活躍する山本香記者が放送でお伝え出来なかった話題を取材後記としてお届けします。

 


「総裁選前倒しが決まったら、石破総理は解散する」。自民党の幹部はそう解説する。衆院選、都議選、参院選と3連敗の責任論が渦巻く自民党内で進退窮まったとみられていた石破総理だが、やめなくてもよいという世論の声を味方に強気の姿勢を続けている。参院選後に見せていた険しい表情も昨今はゆるみ、官邸に入る際には大阪関西万博のキャラクター、ミャクミャクのぬいぐるみに愛想を振る余裕も出てきた。

そんな石破総理の心境はいかに……
8月8日の自民党両院議員総会では総裁選前倒しを要求する声が相次ぎ、党則に基づく臨時総裁選の是非について党総裁選挙管理委員会にゆだねる方針を確認。仮に総裁選前倒しが決まれば、続投表明している石破総理にとってはクーデターを起こされたのも同じ。お友達が少ない石破総理は総裁選に出馬できない可能性が高く、引きずりおろされてたまるかという思いで「それなら解散してやろうじゃないか」となってもおかしくないというのだ。
惨敗続きの自民党内では、早い時期の解散は避けたいのが本音。解散をちらつかせることで、総裁選前倒し論を封じようという狙いも透けて見える。良い悪いはともかく、土俵際からの起死回生への一手のようにも見える。

19日、両院議員総会で確認された総裁選前倒しの是非を判断する総裁選管理委員会の初会合が自民党本部で開かれた。
現職総理が続投を表明する中、総裁選を前倒しするということは過去に例がなく、初会合の議論は予定より1時間近く長引いた。
終了後、逢沢一郎総裁選管理委員長は、所属国会議員の意思確認については書面で回答を求める方針を確認したことを明らかにした。
週明けにも開かれる予定の次回会合では、都道府県連の手続きについて詰めることにしている。
意思確認の時期について逢沢委員長は「スピード感が大事」と述べ、参院選の総括の時期も念頭に調整を進める考えを示している。

党則6条4項に基づき、自民党所属の衆参両院あわせて295人の国会議員、都道府県連の代表者47人、計342人の過半数172人が賛同すれば総裁選前倒しが決まる。
総裁選前倒しに積極的な議員は、「(両院議員総会が開かれた)8日時点であれば過半数は集まったが、お盆をはさんで温度が下がった」と述べた。時間がたつと熱も徐々に冷めていくという。お盆に地元に帰ると支持者らから「いつまで内輪もめをやっているのか」、「物価高対策を早くやれ」など厳しい声にさらされ、石破おろしどころじゃないというのも実情のようだ。

一方で11月には自民党は結党70年を迎え、記念式典も計画しているが、今の状況ではとてもお祝いムードじゃない。厳しい内容の総括を出し、党の顔を変えて一から出直した方がいいという声も根強い。
次の総裁選に出馬の意欲を示す議員らは、前倒しに向け多数派工作を摸索する動きもあるようだ。
逢沢委員長は今後の課題として「確実に議員本人の意志かどうか、確認されなければならない。都道府県の意志も厳正なものであるかどうかが大切だ」と強調。様々な思惑も絡みあい、自民党は結党以来初となる総裁選前倒しという手続きをどう判断するのかが注目される。

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