
三菱商事などの企業連合が洋上風力事業撤退へ。藤井氏「遂に来たな、っていう感じがする」
8月28日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、木曜コメンテーターで京都大学大学院教授の藤井聡氏と寺島尚正アナウンサーが、三菱商事などの企業連合の洋上風力事業撤退に関するニュースについて意見を交わした。
藤井氏「『どんな無責任やねん』っていう気持ちは三菱商事に対してはありますね」
三菱商事などの企業連合が国内3海域での洋上風力事業から撤退し、政府は再生可能エネルギー拡大に向けた戦略の見直しを迫られる。政府は年内にも3海域での事業の再公募を行う方針だが、洋上風力が普及するかどうかは見通せない。
三菱商事と中部電力のグループ会社などが千葉県銚子市沖、秋田県沖の3つの海域で進めていた洋上風力発電計画から撤退すると発表した。撤退の理由について建設費が「当初見込んだ金額の2倍以上の水準」になったことを挙げた。
政府の公募ルールで三菱商事連合が積み立てていた約200億円の保証金は国に帰属し、結果的に没収となる。
寺島アナ「藤井さん、これ、三菱商事連合は『200億を失ってでも』っていう感じになってるんですね?」
藤井氏「まぁそうですね。ちなみに、この洋上風力について僕はものすごく注目をしていて、現地にも2回ぐらい視察しているし、いろいろ記事も書いたこともあるし。で、僕からすると『遂に来たな』っていう感じがする」
寺島アナ「あっ、『遂に来たな』ですか?」
藤井氏「うん。これは200億を払ってでも撤退したほうが三菱としては損害を最小化できると判断したってことなんですよ。だから、これは未来がないってことなんですよね」
寺島アナ「あぁ……」
藤井氏「これはもう非常に複雑な、様々な外国企業も含めた企業体が絡んでいるんですよ、洋上風力の問題っていうのは。結局、それぞれの主体はビジネス至上主義ですから、お金儲けを考えているわけですけど、ごく一部の志のある企業だけが先行投資ということで『赤字でもいいからやろう』ということで色々と進めていたんですよ。三菱商事もそういうところが一部あったんですけども、大体、三菱商事っていうのは、僕からすると、洋上風力についての十分な研究も分析もしないまま非常に安い価格で落札したんですよ。で、価格破壊を起こしているんですよ、三菱商事が」
寺島アナ「価格破壊?」
藤井氏「『ほんならもう無理やんけ』っていう話なんですよ、それは。資材高騰とかの問題があるんですけども。『無理やんけ』って、それで撤退するって『どんな無責任やねん』っていう気持ちは三菱商事に対してはありますね。エネルギー投資というものは国家の根幹を担う、最も重要な事業の一つなんですよ。それに対して『それだけの責任感があって参入してるのか?』という深い疑念を持って見ていたんですけども、『やっぱりこいつ逃げよったな』と」
寺島アナ「あー、逃げた?」
藤井氏「『最低やな、こいつ!』っていう気持ちが僕にはありますし、そういうふうに思っている人はめちゃくちゃ多いですよ」
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