「浮足立つ永田町。総理の決断、秒読み段階か?」

「浮足立つ永田町。総理の決断、秒読み段階か?」

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 文化放送をキーステーションに全国33局で放送中「ニュースパレード」(毎週月曜日~金曜日午後5時00分~5時15分)

 その日に起こった最新の話題を中心に、幅広い分野にわたってニュースを紹介しています。昭和34年の放送開始以来、全国のラジオ局の強力なバックアップで、特派記者のレポート、取材現場からの中継など、今日最も重要なニュースを的確に把握し最新情報を伝え続けています。

 文化放送報道記者として国会、官邸を担当し、日夜取材活動で活躍する山本香記者が放送でお伝え出来なかった話題を取材後記としてお届けします。

 

いつもは和気あいあいとした雰囲気だが、5日午前10時から開かれた閣議は妙なよそよそしさを感じた。約2時間後、鈴木馨祐法務大臣は自身のブログとXに総裁選前倒しの要求を求める意向を明らかにした。現役閣僚による前倒し要求の表明は初めてだ。鈴木大臣は麻生派に所属。その麻生派の研修会で派閥の会長でもある麻生自民党最高顧問は前倒しの意向表明をしていた。
石破政権内からはすでに10人超の副大臣や政務官が前倒しを求める考えを表明している。加えて前倒しに同調する閣僚が表れたことで、石破政権にとって打撃となるのは間違いない。


(写真 前倒しの意思確認の書類)

前倒しには国会議員と都道府県連合わせて342の過半数である172の要求が必要。当初はハードルが高いという見方が多かったが、前倒しの意思確認の書類を党本部に提出する8日を前に、そのハードルはどんどん狭まっている。一部には国会議員だけで過半数を超えたという情報も出回っている。
意思確認は8日の午前10時から午後3時までの間に、議員本人が署名、捺印して持参することになっている。
総理周辺によると、「仮に過半数を超え、総裁選前倒しになれば8日の午前10時までに何らかの動きがあるかもしれない」という見方を示している。
永田町では「8日の朝に石破総理が『辞任』か『解散』、どちらかを表明するのではないか」
「(関税交渉で)トランプ大統領の署名で一定のめどが立った」など、様々な憶測が飛び交い浮足立っている。
最もそわそわしているのは、総裁選出馬に意欲を見せる面々だろう。

【火に油】
総裁選前倒しが決まったとしても、石破総理自身が総裁選に出馬し、再び勝ち抜けば総理を続けられるわけだが、20人の推薦人を確保できるかどうかわからない。前倒しに否定的な議員は20人を超えているが、いざ、総裁選となれば事情が変わってくる。また、旧石破派だった議員も派閥解体後は一人、また一人と石破総理と距離を取り始め、関係性も絶たれている状態だ。
総裁選前倒しをけん制するために吹かせた解散風も、「単なる脅し」「できるわけない」「刺客もたてられない」と本気にされず不発に終わっただけにとどまらず、反対に「姑息だ」と受け止められ、火に油を注ぐ結果になってしまった。前倒しを要望した議員の名前公表も、反発を強め、前倒しへと焚きつけた形につながったようだ。
極めつけは、追加の経済対策だ。物価高に苦しむ国民のため、政治空白は作らないという強い決意の表れと映るが、追加経済対策となれば補正予算の編成が不可欠となる。関係省庁では「政局指示ではないか」と様子見。一方、自民党内からも「党で議論する必要があるが政調会長はもう辞表を出している。まともに機能するのか」とこちらも懐疑的。総理続投に強い意欲を示す石破総理が打ち出す手段は次々と悪手と受け止められてしまった感もある。

【自民党をぶっこわす】
「石破さんならやりかねない」。石破総理が吹かせる解散風について、単なる脅しではないと受け止める声もある。
解散について、「大義がない」という声もあるが、閣僚経験者は「そもそも解散は総理の専権事項、大義は後からついてくるものだ」と指摘する。
また、自民党内からは、石破総理が解散に打って出れば「自民党をぶっ壊すため」「本当にぶっ壊れるだろうなぁ」という声も漏れてきた。
仮に前倒しが見送られる結果になったとしても、その後の政権運営はいばらの道が待ち受ける。立ち行かなくなれば解散カードを持ち出すことになるかもしれない。

解散はあくまで解散風のままなのか。石破総理の真意は測りかねるが、永田町に吹く風は徐々に生臭くなってきた。

総裁選前倒しの是非が決まる8日、自民党も石破総理も岐路を迎えることになりそうだ。

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