
杜撰なストーカー対応で謝罪の神奈川県警に青木氏「警察がこの対応でいいのか深刻に考えて欲しい」
9月5日の「大竹まこと ゴールデンラジオ」(文化放送)は大竹まことはお休み。朝日新聞の「ストーカー対応「形骸化」 川崎殺害、県警が検証 43人処分、本部長が謝罪」を取り上げ、青木理がコメントした。
川崎市の岡崎彩咲陽(あさひ)さん(当時20)がストーカー被害に遭い、殺害されたとされる事件の対応について、神奈川県警が4日、検証結果と再発防止策をまとめた。
「不適切な対応で被害者の安全を確保する機会を逸し操作も遅れた」と認めた。
ストーカー事案への対応体制が形骸化し、部門間の連携も不足していたと組織的課題を指摘した。
太田アナ(アシスタント)「この記事のところに神奈川県警の検証報告書の骨子が書いてあるんですが、被害者からの度重なる相談の危険性切迫性を過小評価し組織的な初動対応がなされなかった。行方不明になった後犯罪被害の可能性を示す特異な情報が複数あったのに、積極的な捜査をしなかった。署も県警本部もストーカー事案への対処体制が形骸化し、部署や部門間の連携が不十分で機能不全に陥っていた。再発防止策として司令塔を担うポストを設置し、事案の危険性や切迫性の強化方法を見直すと記事にあります」
青木理「これは本当に大変なことなので、少し真面目な話すると太田さんが説明してくださったのをもう少し具体的に言うと、確かにこれひどい事案なんですよ。要するにどういうことかというと、この被害に遭って亡くなった女性は、去年の9月20日に殺人罪で起訴されている白井被告から殴られたという被害届を9月に出したんですね。ところが、10月29日になって「大げさに話した」といって被害届を取り下げたそうなんですけれども、その後もその白井被告とみられる男が被害者の岡崎さんのお姉さんが住んでるマンションの敷地内なんかに侵入するなどのトラブルが続いていたと。これ読売新聞が詳しいんですけれど、その後11月22日にこの2人からこの復縁しましたと。仲直りして、また付きあうことにしましたという申し出があったのでこの川崎臨港警察署は対応を終了したというんですよね。この時にどうやら署内ではトラブルは終息したんだという先入観が形成されたというんだけれども、これについて、読売新聞でストーカー被害を支援する団体の小早川理事がこう言っている。「加害者の機嫌を損ねずに身を守るために復縁する被害者もいる。だから警察は継続的に向き合う姿勢が必要だった」っていうんですけれども、実際その後、被害者の女性は12月の9日から20日にかけて、ストーカー被害の相談を9回してるんです。ところがそのうち一部は記録にも残されていなくて、3回は誰がこの対応をしたのか、警察官の名前すらもわからなくなっている。ここまででなんとかやっていれば、もしかすれば岡崎さんの命救われたのかもしれないんですけれど、ここから先がもっとひどくて、岡崎さんが去年の12月20日に行方不明になっちゃったんですよ」
壇蜜「おばあちゃんの家からね。窓ガラスが割られて」
青木「そう。おばあさんの家に逃げてたんだけれども、行方不明になっちゃって、22日の日にご親族の方がおばあさん家のガラスが割れてるという110番をして、おばあさんは署員に白井被告がガラスを割って連れ去ったんじゃないかというふうに言ったんだけれども、この時に現場に来た川崎臨港署の署員は鑑識用の資機材なんか持っていってなくて、写真撮影や指紋採取もしなくて、おばあちゃんは周辺をうろつく被告とみられる人物を撮影した動画を見せたんだけれども、その記録の報告もしなかった。これだから、この時点でだって、拉致されてるわけですよ。その後全然その捜査をしなくて、実はその間にもこの白井被告が何かやったんじゃないかというような証拠がいくつもあったりとか、白井被告が自殺未遂したりとかしたのもあったのに放っておいて、ようやく操作が本格化したのは、いなくなってから4カ月くらいたった今年の4月。しかも、弁護士さんから捜査を求める告発状が届いて捜査をしたら、4月30日になってこの岡崎さんの遺体が被告の家から見つかったということなんですよ」
壇蜜「1回尋ねた時も、家族が食事中だからって追い返されてるんですよ」
青木理「そうなんですよ。だから本当にその一貫して12月20日に行方不明になる以前の段階のどこかでもう一歩踏み込んで、いろいろな警告を出したりとかしていれば、もしかすればこの岡崎さん助かったかもしれないし、いなくなった後の対応でもこの4カ月間も遺体が見つからずに捜査が全然進まないなんてことも含めて、県警の本部長が直接出てきて謝罪するっていうのは結構異例の事態なんですけれども、43人処分されたということなんだけれども、やっぱりこれ1999年に桶川でストーカー事件あって以降、ストーカーという問題をきちんと警察で組織的に対応しようといって、いろいろ事件あるたびに言われてきたんだけれども、今回も全く対応できてなかったというか、それどころかほぼ何もしてなかったに等しいような状況だったっていうことなんで、一つ深刻な事態ですよね」
壇蜜「ストーカー規制法によって救われた方もたくさんいらっしゃると思うんですけど、あまりにも今回の場合は杜撰というか、ノータッチで恋人同士のことだからみたいなことでほっとかれすぎでしたよね」
青木理「そうですよね。ほっといたのもそうだし、署で対応はしてるんだけれども、ずっと警察が言ってるのは、現場の署とそれから刑事部門とか生活安全部門とか組織でいろいろ連携しながらやらなきゃいけないのに、報告が上がってなかったりとか記録が残ってなかったりとかということでいうと、県警本部長が謝罪に追い込まれたのも当然で、組織としてきちんと対応できてなかった。ある意味でこれ女性にとってみると、こういう本当に怖い思いをされている方がいる。神戸で、これは本当に付き合ってるわけでもない全く見知らぬ人が追いかけ回してという事件もありましたけれども」
壇蜜「何日か追いかけ回した末に自宅で」
青木理「そう。殺されちゃったっていう事件もありましたけどね、だけど、女性にとってみると本当に身近な恐怖なので、警察がこの対応でいいのかというのは深刻に考えて欲しいですよね」
「大竹まこと ゴールデンラジオ」は午後1時~3時30分、文化放送(FM91.6MHz、AM1134kHz、radiko)で放送中。 radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。
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