”廃棄弁当ごと”プレスしてモノづくり!?ゴミから感動をつくるには?

”廃棄弁当ごと”プレスしてモノづくり!?ゴミから感動をつくるには?

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様々な社会課題や未来予想に対してイノベーションをキーワードに経営学者・入山章栄さんが色々なジャンルのトップランナーたちとディスカッションする番組・文化放送「浜松町Innovation Culture Cafe」。

2025年8月19日,26日の浜松町Innovation Culture Cafeは、常連さんにスパイスファクトリー株式会社取締役CSOの流郷綾乃さんと、お客様にfabula株式会社代表取締役CEOの町田紘太さんをテーマにさんをお迎えしました。テーマは、「ゴミから感動をつくるには?」です。

入山:ここからは「ゴミから感動を作るには?」これをテーマにしてお話をしていこうと思います。まず、町田さんから伺いますが、このfabulaという町田さんの会社は「ゴミから感動を作る」というのを掲げていますが、これはどういうことですか?

町田:今の静脈産業のあり方を問い直し、つまりゴミや廃棄物、血管で言う動脈その裏側のゴミとか、裏側の廃棄物とか下水とかそういうのが静脈なんですね。そういうの考えた時に今の状態ってどっちかって言うとプロセスっていうか、「リサイクルをする」とか「アップサイクルをしましょう」とか、こっちに重点が置かれてる気がしています。例えば出来上がった製品とかに「リサイクルされたものですよ」と、それが価値の1つになってるような気がします。これはこれで素晴らしいんですが、「さらに次のステップを僕たちで何かできないか?」ということで、ゴミをずっと作り続けるためにはある意味、みんなが欲しいプロダクトが必要になってくると。

入山:つまりfabulaは、リサイクルではなく廃棄物かもしれないけれども、普通に物としてめちゃくちゃ良いっていう。それで静脈でではなく動脈として売ると。

町田:その通りです。ある意味、普通じゃないんですけど、目指すと言えばというところになってきて、極論「ゴミから作られていると言われなくてもいいよね」っていう。

流郷:アップサイクルとはまた違うんですか?

町田:そうですね。社内的には「リクリエイト」という言い方をするんですけど。リクリエイトって言葉もあってるかわかんないんですけど、僕の中では、やはり使われることに意味があって、ゴミとか物が循環することに一番意味がある。なので、使われていれば良いんですけど、プロセスに目を向けないっていうだけかもしれないですけどね。

入山:だから「これはリサイクルですよ」と、あえてうたわないところが一番の価値であると。

町田:伝統的にそういうものづくりもされています。例えば、おせんべいって酒米を削った後の粉とか、削りカスを使っているんですけども、これって今風に言えばアップサイクルっぽいんですが、おせんべいをアップサイクルされたものとして買う人はいないですよね。美味しいから買って食べるのであって、そんな感じのことがやりたいなと。

入山:流郷さん、ここまでのお話どうですか?

流郷:すごく共感します。「ゴミは資源だ」というのをムスカの時に感じていて、資源として扱うということなのかなと。そこから何かクリエイトしていくっていうのはファーブラさんであって。

入山:一方でゴミから感動を作るっていうのをビジョンにしてるじゃないですか。ゴミがゴミでなくなる世界を作るとか、そういうのはどうですか?

町田:それはあるかもしれないですね。

入山:ゴミも資源だから、ゴミって我々が勝手に定義してるだけであってゴミって概念じゃないですか。だから我々がゴミじゃなくて、これは普通の資源です。って思った瞬間ゴミがなくなっちゃう。

町田:そうなんです。だからカタカナのゴミにしてるっていう風にしてるんです。だからゴミっていうのに対してなるべくニュートラルにしていこうと思っているんです。

流郷:私、以前ハエのベンチャー(ムスカ)に勤めていた時のお話なんですけど、いわゆるたい肥の処理って本当に時間がかかる行為じゃないですか?それを1週間っていう期間でめちゃめちゃサラサラな肥料に持っていけるんです。ハエの幼虫は普通に魚とかが食べる餌でもある。鶏が食べる餌でもある。そういうサーキュラーエコノミーを実現しようという会社の代表をやっていました。ゴミが資源すぎて、さっきおっしゃっていたことのようにゴミって定義してるのは人間なだけであって、「自然界においては全て資源だよ」っていう。そこだと思うんです。それでまさに感動させたいんですよね。

入山:浜カフェに以前雑草の研究者の方がいらっしゃって、「雑草の定義を教えてください」って言ったら「人間を邪魔するもの」なんです。だから逆に言うと人間がいなかったらこの世に雑草なんてないんです。つまりゴミも一緒じゃないですか?人間が勝手に決めてるだけであって、これはゴミだと人間がいなかったらゴミってないんですよ。

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流郷綾乃さん
中小企業の広報を経て、フリーランスの広報として独立。With Media代表としてスタートアップ企業等に広報・戦略コンサルティングを提供。2017年には、生物資源ベンチャーの株式会社ムスカで広報戦略を支援し、2018年に代表取締役CEOに就任。数々のビジネスコンテストで最優秀賞やSDGs賞を受賞。その後、2020年に退任され、2021年には、スパイスファクトリー株式会社 取締役CSOとなる最高サステナビリティ責任者に就任。その他にも、株式会社SPACE WALKER企画推進室・顧問や経済産業省アクセラレーションプログラムのメンターも担当。

町田紘太さん
町田さんは、幼少期をオランダで過ごし、環境問題に興味を抱く。その後、東京大学の卒業研究として新素材を開発され、2021年には小学校からの幼馴染3人で、fabula(ファーブラ)株式会社を設立。現在も新素材に関する研究に取り組みながら、事業を拡大させている。

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