東京都心・神奈川の記録的な大雨…排水が追い付かず内水氾濫も多数発生

東京都心・神奈川の記録的な大雨…排水が追い付かず内水氾濫も多数発生

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文化放送と全国32局の制作協力で、月曜から金曜の午後5時からお送りしている「ニュースパレード」
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先週11日(木)の午後、東京都心と神奈川では記録的な豪雨に見舞われました。
目黒区緑が丘では1時間に134ミリという想像できないような猛烈な雨が降り、世田谷区でもアメダスで92ミリとこれまでの記録を大きく塗り替える豪雨が降りました。
その他レーダーの観測で1時間に100ミリ以上の猛烈な雨が大田区・品川区・港区・横浜市・川崎市などで観測され、「記録的短時間大雨情報」が相次いで発表されました。


世田谷区を流れる谷沢川と品川区を流れる立会川では、氾濫が発生。
道路が冠水、建物や地下施設への浸水も相次ぎ、都内だけで浸水被害は数百件に上りました。
東急目黒線や西武新宿線などの線路が冠水、武蔵小杉駅の構内が浸水するなどして、交通機関にも大きな影響が出ました。
羽田空港では記録的な大雨と落雷で地上での作業ができず、欠航が相次ぎました。

この日の夜7時過ぎ、品川区にある京急線「立会川駅」周辺を取材しました。
立会川駅のすぐ近くにかかる立会川橋…氾濫の跡が残っていました。

疲れた様子で店内に溜まった水を汲み出し、捨てる作業を続ける飲食店の方や、お店に入れて下さり床上30cm~40㎝ほど浸水した跡を見せて下さる方もいました。


前が見えないくらいの大雨で、氾濫した立会川から直接水が入ってきたり、店のシンクや洗面所から水が上がってくる「内水氾濫」も多かったようです。
「片付けが大変」「こんなことは初めて」という声も聞かれました。
被害に遭われた皆様には心からお見舞い申し上げます。

東京都内は1時間に50ミリの雨には対応可能な設備が整っています。
しかし、想定を大きく超える1時間に100ミリ以上の雨が降ると、排出機能が追い付かず、下水などから水が逆流する「内水氾濫」が起きてしまうことがあります。

東京都は川から水があふれ浸水することを防ごうと、一時的に水をためる「神田川・環状七号線地下調節池」「白子川地下調節池」を地下深くに作り、運用しています。


さらに東京都は「地下河川」の整備を検討しています。地下調節池を増やし、今後それらをつなげて水を東京湾へ放流する計画ということです。
地下に巨大な川をもう一本作るようなイメージです。

温暖化のスピードが予想より早いと言われている今、想定を超える大雨はいつどこで起きてもおかしくありません。
ハードだけに頼らず、気象についてより正確な情報を入手し、平時から備えを進めておくなど、減災のための工夫が必要なのかもしれません。
この夏の「異常気象」と言える記録的な猛暑に記録的な大雨、来年以降も当たり前に起きる可能性もあります。

気象予報士・防災士 都庁・気象庁担当記者 伊藤佳子

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