「立憲民主党はジョーカーを切った」新執行部の発足は政権交代を賭けた最後の大勝負

「立憲民主党はジョーカーを切った」新執行部の発足は政権交代を賭けた最後の大勝負

Share

ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務める「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日15時30分~17時、火~金曜日15時30分~17時35分)、9月18日の放送にノンフィクション作家の常井健一が出演。メディアが連日、自民党総裁選挙に関して報道する中、野党第一党である立憲民主党の幹事長に安住淳(前国会対策委員長)氏が就任、というニュースについて解説した。

鈴木敏夫(文化放送解説委員)「(立憲民主党の安住淳・新幹事長について)印象としては荒っぽい口調の人、という感じもあります。与党に吠えたり記者に吠えたり。政界の異端児タイプだと思います。おとといの会見で『私たちの立ち位置は明確。穏健、中道、リベラル』と語りました。野田代表は中道保守のイメージですけど、その野田さんがなぜ幹事長にしたのか。この新体制で野党は本当に動き始めるのでしょうか」

常井健一「今週はほぼ毎日、自民党総裁選絡みの取材をして記者会見も覗いているんですけど。やっていることが本当に去年と一緒で(笑)。同じ感想しか出てこなくて再放送になってしまう。ニュース番組ですから、せめて新しいことはなんだろう、立憲民主党の新執行部のほうがまだ報じ甲斐があるんじゃないか、と考えて(テーマにしました)」

長野智子「確かに執行部交代にどんな意味があるかとか、考えなかった」

常井「あまり注目されていませんが、立憲は政権交代を賭けた最後の大勝負に出たわけですよ。一言でいうと『ジョーカーを切った』。この賭けに負ければ解党的出直しどころか、本当の解党になるとみています」

鈴木「『的』つかないんだ。新執行部の人事を簡単に紹介しましょう。幹事長にその安住さん、民主党政権時代は財務大臣を務めました。衆議院の予算委員長も経験しています。政調会長に本庄知史さん、岡田克也さんの秘書でした。国会対策委員長は留任で笠浩史さん、選対委員長に逢坂誠二さん。ここがポイントだと思います、代表代行に馬淵澄夫さん、近藤昭一さん、吉田晴美さん。新設の広報委員長に渡辺創さん。かなり変わった印象はあります」

長野「どんな意味があるんでしょうか?」

常井「人事を発表した記者会見が先週木曜、あったんです。野田代表が安住幹事長にマイクをバトンタッチしたとき、去り際に『これで前座は終わりです』とつぶやいたんですね。代表が自分を前座と言ったところが象徴的でして。この人事、一言でいうと安住人事なんですよ。事実上の安住代表、とも党内でささやかれて。野田さんは以前からホップ、ステップ、ジャンプといって、政権交代への大ジャンプは次の衆院選、と言っていましたね」

長野「でもずっとホップ、ホップ、ステップ、ステップ……」

常井「肉離れも時々起こして(笑)。最後のジャンプ台を安住さんに託したんです。安住さんは党の国会対策委員長が長くて、与野党や役所にも太いパイプがある。多党化する国会の中で人脈や交渉力は期待されての起用です。自民党が国対族の森山さんを幹事長に据えたのと似た感じがあるなと」

長野「はい」

常井「でも安住さんは野田内閣の財務大臣だった。希望の党騒動があった2017年の衆院選では野田さんとともに無所属で勝ち上がって。同じ時期に立憲に合流した。2人は戦友なんですね。今回、野田さんは安住さんありきで役員の刷新を進めて。そこから安住さんがやりやすいような役員体制を組み立てた、というわけです。じつは安住さんが側近に置く幹事長代理や国会対策委員長というのは、自分の国対委員長時代のチームで固めているんですね」

長野「うん……」

常井「さらにこの人事のポイントは、自民党でいう派閥均衡人事なんです。立憲民主党も寄り合い状態なので、8~9ぐらいのグループに分かれて衆議院と参議院にも温度差もある。そういう現実を踏まえて、若手抜擢や女性登用というよりはバランスに配慮した、と」

「長野智子アップデート」は毎週月曜~金曜の午後3時30分~5時、文化放送(FM91.6MHz、 AM1134kHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

で開く

※タイムフリーは1週間限定コンテンツです。
※他エリアの放送を聴くにはプレミアム会員になる必要があります。

Share

関連記事

この記事の番組情報


長野智子アップデート

長野智子アップデート

月 15:30~17:00 火~金 15:30~17:35 ニュースキャスター長野智子が文化放送に帰ってきます。 女子大生ブームの火付け役となった伝説の番組「…

NOW ON AIR
ページTOPへ