
大手メディアはなぜ「マスゴミ」と呼ばれる? 大竹まことがジャーナリストに聞く
お笑い芸人の大竹まことが同世代や全世代の男女に向けてお送りしているラジオ番組『大竹まことゴールデンラジオ』(文化放送・毎週月〜金曜13:00~15:30)。 9月22日の放送は、終戦から現在に至る80年の間に日本で活躍した反骨のジャーナリストたちを描いた『記者は天国に行けない 反骨のジャーナリズム戦記』を著した、元読売巨人軍球団代表でノンフィクション作家の清武英利氏をゲストに招いた。
大竹「清武さんは、今、マスメディアが「マスゴミ」って呼ばれるようになったことについてどう思っています?」
清武「要因はいくつかあるんでしょうけど、一つは、大手の新聞とか大手のメディアというのは一つの権力ですよね。権力に対するおごりがあったことは間違いないと思うんですよ」
大竹「あったとおっしゃいましたね。今は無いんですか?」
清武「ある人もありますよね」
大竹「そこがちょっと大事で、記者クラブがあって、フリーランスは入れないで、記者たちがやっていくっていう、特に政治のことに関して思うんですけども、その「マスゴミ」って言われる原因が今でもつながっているのか、それとも過去にあったっていうのか」
清武「いや、今もあると思いますよ。そういうおごりは常に外部の人から指摘されないとわからないことが多いと思いますよ」
大竹「そうですか」
清武「メディアってのはものすごく閉鎖された社会ですから。だって株は公開してないじゃないですか。物言う株主なんて言うけど」
大竹「いない?」
清武「いないですよね。そうすると自分たちが自立していかなきゃいけないわけで、もともとがそんな組織だってことを自覚しなきゃいけませんよね。そこに独裁者が生まれると、なかなか反省が薄いのかもしれませんね」
大竹「フジテレビがああいう風になりましたけれど、やっぱりそれはちょっとした閉塞感みたいなものがずっと社内を覆っていたっていうふうに考えていいですか」
清武「おっしゃるとおりですね。それに、マスメディアって最新の情報は持っていても技術は持っていないんだと思うんですよ。だって、メディアがどんどん立ち後れていく中で新聞が売れなくなった。今、半減以下になっているのに、ずいぶん前からそれに気付きながら対抗できないじゃないですか。それに対する手を打てない。それには、本来、外部の知恵がもっといったはずなんですよ、たぶん。でも、閉鎖社会だから、外部の知恵を入れることができなかったわけでしょ」
大竹「入れなかった」
清武「そうです。僕は、もっとオープンにいろんな人の声を聞くべきであったと思います。それを一人の人、あるいはごく一部の人々によって決めてきたことも、今、マスゴミと言われる一つの原因だと思いますけどね」
大竹「なぜこんなこと言うのかっていうとね、この番組にお越しになる、以前は大手の記者だったとかいろんな方がいらっしゃいますけども、やっぱり風通しが悪いと。それで辞めたと、言う方、結構いらっしゃるんですわ。それで、新たに物を書き始めてっていうね。やっぱし、その風通しの悪さは、失礼な言い方ですけどナベツネさんを筆頭に、ずっとこの国が、まあ、どの新聞も含めて言いますけども、そうやってきた。その風通しの悪さみたいなことがずっとあったのかなって思うんですけどね」
清武「それも一因でしょうね、間違いなく。やっぱり98歳になる方が「メディア王」と言われるのはなんか変じゃないって僕はずっと言ってきたんですよ。スマホもパソコンもほとんどいじらない、いじれない、そういう人がメディアの帝王であっていいんだろうかと。もっと早く引退されるべきじゃないかっていうようなことも、僕はずっと考えて指摘をしてきたし、でも周りの人はなかなかそういうことを内部の人は言わない。言えない。言えない空気。そういうものを作ってきて、外部の人も、例えば同じメディアの世界ではなかなか批判しないじゃないですか。
大竹「そうですね」
清武「ほかの世界でも同じかもしれませんけどね」
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