
奈良の鹿を虐待した人物は未特定にもかかわらず高市氏は外国人と決めつけ
9月23日(火)の大竹まことゴールデンラジオ(文化放送)は、「自民総裁選、語る日本は 5氏立候補、来月4日投開票」という朝日新聞の一面記事を紹介した。
番組で紹介した朝日新聞の記事によると、22日開催の所見発表演説会で、外国人政策が今回の総裁選で大きな論点の一つとなることが浮き彫りとなった、とある。
各候補者からは、ルールを守らない外国人の増加で国民の不安が高まっているとして、外国人の受け入れ規制強化など、外国人政策を厳格化するべきだとの主張が相次いだ。
外国人政策をめぐり演説の半分近くを割いたのが、高市早苗前経済安全保障相。冒頭、外国人観光客の一部が、地元の奈良公園の鹿を「足で蹴り上げる」「殴って怖がらせる」などの行為をしていると主張し、「日本人の気持ちを踏みにじって喜ぶ人が外国から来るようなら何かをしないといけない」と強調した、とある。
また東京新聞の奈良の鹿を虐待した人物が未特定なのに、高市氏が外国人と決めつけたという記事も続けて紹介した。
東京新聞の記事によれば、高市氏の発言を巡って奈良県庁で奈良公園を所管する部署の担当者は、東京新聞の取材に「動画の人物が誰か、外国人であるかどうかは特定されていない」と説明する。さらに「毎日2回、公園を巡回をしているが、観光客による殴る蹴るといった暴力行為は日常的に確認されておらず、通報もない」として、外国人による暴行行為が頻発しているとの見方を否定した、と記事にはある。
この記事を受けてフリーライタの武田砂鉄氏は、「所見発表演説会で本人的に一番盛り上げようと思った話が事実ではなかったということ」と話し、「この間の参議院選挙の参政党の躍進等を見て、今こういうことを言うのが受けるのではないかと考えて高市氏は話したのだろうが、(事実に基づかないことを取り上げて)色々な物事を決めたり、判断したり、スローガンを出していくのは非常に危ういことだ」と述べた。
番組パートナーの小島慶子は、番組で紹介した東京新聞の記事の続きに触れ、「東京新聞の記事には、過去には奈良の鹿を傷つける事件が起きたこともある。2010年と21年には刃物やクロスボウで死なせる事件が発生し、それぞれ文化財保護法違反で有罪判決を受けたのは日本人の男だったとあるが、この事実には高市さんは触れていない」と話した。
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