中島岳志「自民党総裁選の5候補の違いが感じられない理由」

中島岳志「自民党総裁選の5候補の違いが感じられない理由」

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自民党総裁選5候補が論戦を繰り広げているが、主張に大きな違いもなく盛り上がりに欠けている感がある9月30日の武田砂鉄ラジオマガジン(文化放送)」東京科学大学教授の中島岳志、この問題について語った。

中島「いつもの総裁選より関心が低いのは、5候補の違いがよくわからないと思うんですよね。例えば小泉進次郎さんだったら、前の総裁選の時は選択的夫婦別姓っていうのを掲げて政治の大きな流れを変えようとしていたと思うんですけど、今回は鳴りを潜めているというか、表に出さない。高市早苗さんも積極財政とおっしゃっているんだけど、消費税減税については踏み込んでいかない。それぞれ特徴のある政策がどんどん消えていって平準化している。そうすると国民からすると、いったい誰がなったら、どう変わるのかっていうのがよくわからない。その結果、みんなが保守だと言い始めて一致しているのは外国人に対する規則の厳罰化とか、そういったところに終始している。なぜ、こうなってしまったのか、多分、石破政権の瓦解っていうのが結構大きな余波を生んでいると思うんですよね。石破さんっていうのは明確にこれまで20数年間の自民党の潮流を変えようという意志を持った政治家でトップに立った人。安倍内閣や小泉内閣は小さな政府で自己責任ですよね。格差に対する手当てっていうのはあまりしない。さらに安倍さんになってから右派的な政策っていうのが加わった。この流れは安倍さんが終わっても菅さんに継承され、さらに宏池会っていう真逆の考え方を持った岸田さんが総理大臣になった時も、総裁選までは勢いは良かったんですけど、総理になったら完全にこれまでの路線の中に埋没してしまった。それで石破さんが総理になった。石破さんは、この路線からの転換点として自分の内閣を位置付けようとしたんだけど、少数与党ということもあって、なかなかうまくいかない。参院選が終わってから石破さんの色が見えてきたんだけど、時すでに遅し。結局、大きな路線転換をしようとすると自民党の中で足を引っ張られるということが見せつけられてしまった結果、5人の候補は『無難にこれまでの路線通りにやっていきましょうよ』となってしまったと思うんです」 

 

番組では、この他にも中島岳志が自民党総裁選について語っています。もっと知りたいという方はradikoのタイムフリー機能でお楽しみ下さい。 

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