「国益を間違えるポンコツ」プチ鹿島が「ホームタウン騒動」を憂う

「国益を間違えるポンコツ」プチ鹿島が「ホームタウン騒動」を憂う

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フリーライターの武田砂鉄が生放送でお送りする朝の生ワイド「武田砂鉄ラジオマガジン」(文化放送)。10月2日(木)8時台のコーナー「ラジオコラム」では、時事芸人・プチ鹿島が9月に起きた「ホームタウン騒動」の問題点などについて語った。

武田砂鉄「『プチ鹿島の朝からタブロイド』、初回は?」

プチ鹿島「先月あった『ホームタウン騒動』って、あれも撤回されましたけど、もっと俯瞰して考えられなかったのかなと思うんですよね。おさらいすると事の発端はアフリカ開発会議で日本の国際協力機構JICAが、アフリカ各国と交流の深い国内4つの都市を各国のホームタウンに認定したことにあるんです。しかし発表直後からSNSなどでは『移民が押し寄せてきたら誰が責任を取るのか』とか、そういった投稿が拡散し、ついにはJICA解体デモまで起きる騒動に発展した。これ朝日新聞が9月14日に書いてますけど、もともと『誤情報』っていうのも一つのポイントで、例えば『ナイジェリアの大統領府が日本政府がビザの枠組みを作る』という誤った声明を出したことから『なんだそれ、移民が押し寄せて来るじゃないか!』みたいな混乱に拍車をかけたって言うんですけど、でもね、『これそもそも誤情報に気をつけましょうねっていう話なのかな?』って思うんですよね」

武田「うん」

鹿島「色々調べてみると日経新聞が9月11日に今回の件を振り返っていて『開発協力の王道』、つまりやりたいことを伝えきれなかったんじゃないかと書いているんです。例えばネットで『JICAは投資によって年間2兆3100億円を無駄遣いしている』と。でもこのお金っていうのは支出やばらまきではなく、例えばインフラ整備などのために日本が途上国に貸し付ける金額だっていうんですよね、ちゃんと調べてみると。援助形態の違いをわきまえないと誤解に陥りやすい。だからJICAも『説明が足りなかった』『拙速だったんじゃないか』っていう。ただ一方で経済外交の柱っていうのは『JICAが一つになっているんだったら、それホームタウン構想っていうのをやるだろうな』と思ったんですよね。でも同じ日経新聞で9月13日に『中国がアフリカ投資6兆円』っていう記事があって、これ一帯一路の後、投資がまた再拡大していて、今アメリカが途上国支援からほぼ後ろ向きになって撤退しようとしてるじゃないですか。その間隙をついて中国がアフリカを抑えようとして、その一環として投資6兆円と。ただこれ一帯一路の時もそうですが中国が途上国をインフラ整備するって言って借金漬けにしてしまって、もう影響力から逃れられないっていう、そういう懸念がありましたね。で、またさらにアフリカに対して投資をするってなると。さっきの話じゃないですけどバランスを取って『日本は日本で外交』という名のもとにアフリカと付き合うっていうのは、これは外交戦略の一環じゃないかって僕は思うんですよね。ただそれを『そんなもんはいいから、そのお金を自分たちに回せ』ってなると、意外とそういうことを言ってる人たちって、普段は『国益が国益が』って、結構主張してる人っぽいんですけど、本当の国益っていうのがもしあるんだったらですよ、鍵カッコつきで『見失ってませんか?』っていうことですよね?」

武田「そうですよね。ものすごくシンプルに考えすぎてるってことですね。このお金をどこにあげるのか、『あっちにあげるんじゃなくて俺たちに使ってくれよ』っていうこと。そんなにシンプルな話ではないという」

鹿島「だからポピリズムというか、それが自分たちだけがいいっていうところから、『外国人は来るな』という簡単な論理につながっちゃうんでしょうけども、この騒動以前にも僕、気になるニュースがあって、7月に全国知事会っていうのがあったんですよ。そこで全国の知事が集まって『多文化共生』っていうのを提言したんですね。それに対してもクレームが殺到した。つまりこれもやっぱり誤読して『その多文化共生じゃあ、移民を受け入れるのか!』っていう抗議が殺到して、『いや、そうじゃないんですよ』と。やはりこれ全国知事会ですから地方の知事が多いじゃないですか。『国は外国人を労働者としてしか見てないけど、地方自治体は生活者として受け入れている。だからこそ多文化共生が大事なんだ。国はなんともっと現場を見つめてくれ』という提言で、何もおかしくないじゃないですか。しかも全国の知事からしてみたら、これからというよりも既に多文化共生としていて、地域の産業を成り立たせるために当然外国人の方たちと労働者の方たちと一緒に成り立たせていくと『今進行中です』ってことですからね。だから僕、地方誌 僕は地元誌って呼んでるんですけど、それを読むのも好きなんですが、もう地元誌地方誌なんていかに外国人と共生していかなくちゃ現場が回っていかないって、そういう話なんですよね。それが今何か外国人の話になるとクレームが殺到して取り下げまでになる。こういう例はいくつもあるんですよ」

と、この後もプチ鹿島さんは高市早苗氏の「鹿暴行は外国人観光客」発言について、小泉進次郎氏のステマ騒動、総裁選の行方などについても言及し、白熱した展開となりました。気になる人は、radikoのタイムフリー機能でご確認ください!

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