
自民党・高市早苗新総裁が日本経済に及ぼす影響
ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務める「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日15時~17時、火~金曜日15時~17時35分)、10月8日の放送に経済評論家の佐藤治彦が出演。自民党の高市早苗総裁が就任してからの株価の動き、今後の経済政策について解説した。
長野智子「高市早苗さんの経済政策、どう評価されるか。サナエノミクス、あと物価高対策も細かくあります。また麻生太郎さん、鈴木俊一さんもそうですが、考え方の違う方も要職に入っていると」
佐藤治彦「高市さんが総理になるという前提で話しますけど、総理になったとしても実際にどんな政策をとるのか、よくわからない。それがきょう、株価が下がった(日経平均215円下落)ところにも表れていると思います。高市トレードといって株価がドンと上がったのって月曜(10月6日)だけなんです。本来ならもっと上がっていいはずですけど。まだ市場は『どういう政策になるのかな?』という大きなクエスチョンを打っている、ということ」
長野「はい」
佐藤「物価高対策という流れもそうですが、高市さんは総裁選のときは赤字国債を発行することも辞さない。そういう姿勢でした。財政規律派ではなく積極派、という考え方があった。その考え方に基づいて株価は上がったんです。しかし伸びない。党の要職、特に幹事長に鈴木さん、副総裁に麻生さんが就いた。これによって、財政規律派がある程度、手綱を引っ張るのではないか、ということでいったん、落ち着いたんです」
長野「はい」
佐藤「いま市場が注目しているのは、財務大臣に誰を指名するのか、ということなんです。財務大臣が財政規律を大切にする人か、そうでないのか。それによって為替も株も変わっていくと思います。そして報道では株が月曜に2000円上がった、ということばかり注目されていますが。この番組で私が時々、お話をしている『債権』、日本の国債。30年ものの国債の金利が過去数十年で最も高くなっています」
長野「はい……」
佐藤「高市さんになる前と比べると0.5%ぐらい金利が上がっているんですね。これが何を意味するか。30年って我々のイメージだと住宅ローンの長さと同じです」
長野「そうですねえ」
佐藤「30年間、自分の人生で何が起こるかわからない。金利がどんどん変わっちゃうと毎月いくら払っていいかわからない。多くの人が固定の住宅ローンの金利、組みますよね。30年ものの国債は日本の国にとってみると固定の住宅ローンみたいなものです」
長野「はい」
佐藤「でもそこの金利がどんどん上がると、日本の財政の部分では短い、5年ものや10年ものにシフトせざるを得ない。また30年も日本の国債を買っていたら将来、紙くずのようなものになってしまうかもしれない、といって買う人が減るので金利が上がる。昔であれば3%以上の金利があれば日本の生命保険会社や日本国内の、長期でお金を運用しなきゃいけない人が飛びつくように買ったはずです。この金利であまり『買い』が入ってこない。いま異様な事態が起きています」
「長野智子アップデート」は毎週月曜~金曜午後3時~5時、文化放送(FM91.6MH
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