
「そんなことありますか」辞任した首相をすぐ再指名 武田砂鉄も驚くフランスの政治
フリーライターの武田砂鉄が生放送でお送りする朝のラジオ番組、『武田砂鉄ラジオマガジン』。10月13日は、月曜レギュラーでドイツ出身の翻訳家・エッセイストのマライ・メントライン氏とフランスの政治についてトークを繰り広げた。
マライ「今日はフランスの話を持ってきました。ニュースのタイトルは『マクロン仏大統領、ルコルニュ氏を首相に再任命 政治的混乱続く』というものです」
武田「なんかもう、ずーっと、やめたり新たに就任したり、やめたりまた元に戻ったりっていうんで、ちょっと正直よく分かってないところがあります」
マライ「そう、まさに混乱が続いてるんです。大混乱です。日本では今、公明党が自民党との連立から脱退したというのがニュースですよね。ここで新たな連立パートナーを探すのか、あるいは政策ベースで組むのか、というのが大きな話題なんですけど、とにかく“連立”っていうのがキーワードですよね。実はフランスでも“連立”がキーワードになっているんですね。今、マクロン大統領の政権運営がすごく不安定になっていて、この1年間で首相が3人も交代してるんですよ。結構多いんですよ。最新の首相、セバスチャン・ルコルニュ氏はわずか26日で辞任したんですよね」
武田「1ヶ月持ってない」
マライ「39歳のすごい若手で急に辞任したんですけど、それが先週の月曜日の出来事。その後どうなったか、新しい首相が誕生するかと思ったら、なんとマクロン大統領は同じルコルニュ氏を再び首相に任命したんですね」
武田「そんなことありますかね?」
マライ「聞いたことないですし、フランスでもあんまりなかったみたいなんですよね」
武田「やめて次誰になるか、また同じやつ、っていうふうになってると」
マライ「そもそも、そんなにバンバン首相が辞任してオッケーなのかっていう疑問はあると思うんですけど、一応、フランスは大統領制なので首相が辞任したらすぐに選挙になるわけではないんです。大統領がいれば、とりあえず何とかなるんですね」
武田「日本の政治の仕組みだと首相が一番上ですから、首相がコロコロ変わっても大統領がいればなんとかなるっていう感じは、どうしても感覚としては分からないところはありますけれども、ひとまずマクロンさんがいれば大丈夫というか、動かすことができると」
マライ「特に外交は大統領がやることになってるので、世界各国からみてフランスの誰と喋ったらいいのかっていう問題は生じないわけです。じゃあ、今どうなってるかっていうと、フランスの議会、国民議会というのが今三つのブロックに綺麗に分裂してるんですね。まずマクロン大統領が率いる中道自由民主党連合のアンサンブルですね。中道右派です。あと保守系の共和党や極右の国民連合ですね。これはルペン氏がいるところですね。時々話題になる」
武田「かなりの強硬姿勢のね」
マライ「3つ目は、左派勢力をまとめた新人民戦線という左派勢力ですね。これらは、すべて連立というわけではなくて連合なんです。その時その時、選挙対策でくっついている複数の政党なんですね。それで選挙に勝てればよかったんですけど、どこもそこそこの議席しか持ってない状況なんですね」
武田「そういう意味では、ちょっと今の日本の状況に似てると言えば似てますよね」
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