森永康平「物価高が円安のせいだというのは明確な誤解」 財政と円安の関係を紐解く

森永康平「物価高が円安のせいだというのは明確な誤解」 財政と円安の関係を紐解く

Share

お笑い芸人の大竹まことがパーソナリティを務めるラジオ番組『大竹まことゴールデンラジオ』(文化放送・毎週月〜金曜11:30~15:00)10月27日の放送では大竹と経済アナリストの森永康平氏が、朝日新聞から物価高、経費高騰で飲食店経営に苦しむ男性の投稿記事を取り上げた

大竹まこと「私も本当にこの方と同じ意見です。私も素人で政治とか経済のことはよく分からないけれど、街は本当に苦しんでいると。ガソリンスタンドまで店を閉めちゃうってよっぽどだなと。康平くんにお聞きしたいんだけど、今日は株価が153円。こうなってくると日銀は財政出動するわけだよね。そうすると円が街に溢れて安くなる。日本はもともと加工業が中心で、飲食業はそういう街を支える人たちなんだけど……どうしたら良いのか私には分からないです」

森永康平「まず、円安の影響でものの値段が上がっているという指摘に関していうと、間違ってはないと思います。当然、海外からものを輸入したときに円安だと円に直したときの値段が上がってしまうというのは間違いない。ただ、今の物価高のほとんどが円安のせいなんだという人がいるんですけどこれは明確な誤解で……円安によって押し上げられているというのが正しい認識だと思うんですね。そもそも海外で物の値段が上がっている、それに上乗せで円安がきているというのが一つの理由です。ではどうすれば良いのかという話なんですけど、日本ができるやり方は大きく分けて2つしかなくて、1つは政府が行う減税や給付金などの財政政策。もう1つは日銀ができる金利を上げたり下げたりといった金融政策。

財政政策でよく言われているのは高市政権では『責任ある積極財政』と言っているので財政を出すだろう、と。そうすると財政状況が悪くなってさらに円安が加速するんだ!ダメだ!と言う人は結構いるんですね。でも、円安が進んだらまずいので財政を絞って、増税して、給付もやめましょうってなったらどうなるの?という話で……」

大竹「もっととんでもないことになる」

森永「そう思うので、財政を出す、出さないの2択があったときに、僕は出すという1択しかないと思うんですよ。この状況で絞ってさらにキツくしてどうするのという話ですから。では、何に出すのかという話で、まずは目先の減税や給付金で負担を下げてあげましょうというのが1つの積極財政のやり方ですね。これは僕は本当に目先の対策でしかないと思っていて、もっとやらなければならないのは長期的な財政出動。国内でエネルギーを自給できるようにするとか、農産品を作れるようにする。つまり国内で生産、供給できますという能力を高めることでそもそも外からバンバン輸入する必要がなくなるわけですから、短期的な財政出動と長期的な財政出動の両方をやっていかなければならない。でも最近皆んな円安とか物価高にやられすぎて財政なんか出したらこれ以上円安が進むからやめてくれという人を結構見かけるんですけど、別に出さなかったら苦しいのはあなたたちなんじゃないのって思いますね」

〈参考〉

(声)経費高騰、本当に苦しい円安

「大竹まこと ゴールデンラジオ」は午前11時30分~15時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。 radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

で開く

※タイムフリーは1週間限定コンテンツです。
※他エリアの放送を聴くにはプレミアム会員になる必要があります。

Share

関連記事

この記事の番組情報


大竹まこと ゴールデンラジオ!

大竹まこと ゴールデンラジオ!

月〜金 11:30~15:00

その他の主な出演者

“面白い”けれど”真剣に”、”くだらない”けれど”正直に”。 …

NOW ON AIR
ページTOPへ