中島岳志がクマ出没の問題を語る
今年は各地でクマ出没のニュースが相次いでいる。11月4日の「武田砂鉄ラジオマガジン(文化放送)」では東京科学大学教授の中島岳志がこの問題について語った。
中島「地球上には様々な生命体がいる中で人間だけに特権的に主権が与えられている。けれど本当にそれでいいのでしょうか。人間の力だけが過剰に大きくなって気候変動とか色々なものをもたらせている中で考え直さないといけないんじゃないか。そういう時代に入っていると思うんです。世界では色んな動きがあって、例えばニュージーランドにワンガヌイ川っていう川があるんですけど、この川が2017年に法人格を取ったんですね。例えば私が勤めている大学は国立大学法人なので主権はないですけれども法的な主体なんですね。つまり川が法的な主体として違反した人間を訴えることができるということなんですね。ニュージーランドの先住民族マオリの人たちが崇敬するワンガヌイ川に法律上の人格を認めるということで川が人間と同等の地位を得たということになったわけです。ここの法律の18条にその権利はマオリと政府がそれぞれ一人ずつ任命した二人の後見人によって法的に執行されると書いてあるんです。この川はマオリの人たちにとって重要で精神的な支柱になっていて、全ての色んなものを生み出している先祖のような存在だと考えているので、この川を多国籍企業などが乱開発をするという計画があって、土地を取得したと主張しても、この川がそんなことはさせないと訴えたら開発できないということになるんですね。ただ川が法律を読んで法廷に出ていくわけにはいかないですから、後見人が代理人となって訴えることができるという法律なんですね」
番組では、この他にも中島岳志がクマ出没のニュースをきっかけに色んな考え方を語っています。もっと聴きたいという方はradikoのタイムフリー機能でお楽しみ下さい。
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