がんサバイバーの勅使川原真衣が疑問。「高額療養費制度を空気のようになんて思ったことない!」

がんサバイバーの勅使川原真衣が疑問。「高額療養費制度を空気のようになんて思ったことない!」

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フリーライターの武田砂鉄が生放送でお送りする朝の生ワイド「武田砂鉄ラジオマガジン」(文化放送)。11月5日(水)8時台のコーナー「ラジマガコラム」では、水曜前半レギュラーの組織開発コンサルタント・勅使川原真衣が「高額療養費制度は「空気」のよう』と      いう朝日新聞の記事について、がんサバイバーの立場からコメントした。

勅使川原真衣「今日は『高額療養費制度は空気のよう』という新聞記事について、『感謝が足りない論』と合わせて考えたいと思ってます。元ネタは11月1日、朝日新聞の記事です。話題になったというより炎上に近かったかもしれないんですけども、タイトルは『空気のようになった高額療養費制度。治療薬患者にできること』というインタビュー記事で、インタビューされているのは『認定NPO法人ささえあい医療人権センターCOML(コムル)』の理事長・山口育子さんという方でした。何が書かれていたかというと『今、高額療養費制度が「空気」になっていると思います。制度が始まった頃は一旦3割などの自己負担額を窓口で支払い、その後に上限を超えた額が戻ってくる仕組みでした。このため制度を利用している実感がありました。現在は上限額までしか窓口で請求されません。自分がどれだけの医療費を使っているのか自覚しにくくなりました』と、このように書いてあったんですね。私読んだ瞬間かなりびっくりしてしまったんですけども、同じくいろんな方がびっくりされたようでした。例えば、全がん連・全国がん患者団体連合会理事長の天野慎介さんという方がいらっしゃるんですけども、すごく丁寧にこちらの記事について反論をされてたんですよね。多くのSNSでの反応を見ますと『空気のようになんて思ったことない』とか。『思ってません。上限額まで出すのもやっとなんですけど』という切実な声がほとんどだったかなと思います。私も乳がんサバイバーとして1粒8640円の薬を1日2粒飲む分子標的薬を服用していたので、本当に高額療養費制度なかったら『今居ないかな?』ってぐらいお世話になってるんですよね」

武田「『空気のようになってる』っていうのは、どういう主張なんですかね?」

勅使川原「そうですね、今はもう現物支給というか現物給付に変わってるので、2007年に入院した時は限度額認定証ってご存知ですかね? それを出すとその分払わなくて良かったんですけど、2012年からは外来でもこのシステムがあるので、一度建て替える必要がなくなったんですよ。建て替えないからなんか湯水のように使ってるんじゃないかと、実感が無いという言葉でおっしゃってるわけなんですよね。なんだけども、こんなことをおっしゃるぐらいだから『この方って大変さをご存じないのかな?』と一応思ったんですけども、調べるとすぐ出ます。公開されているのでお伝えしますけども、山口育子さんも24歳で大変若い時に卵巣がんを経験されているサバイバーだそうなんですよね。なので大変さを知らなくて言ってるってことじゃないんだなと思うと、なんかこう匂いがしませんか? 彼女の今の立場を後押しする存在……後ろ盾のようなものがもしかしてあるのかな? と考えて、調べたり患者団体の方にお話を伺ってみると、色々出てきました。ちなみに彼女は政府の審議会の委員とか30以上やってたり、ものすごく影響力ある方なんですよね。それについて医療記者の岩永直子さんという方がニュースレターにまとめてくださってるのでちょっと参照させていただきますが、2025年の6月30日に開かれた『高額療養費制度のあり方に関する専門委員会』で山口育子さんが参考人として出られてます。そこで資料とともに『高額療養費制度について、患者・医療者双方から届く声』という発表をされてるんです。これなかなかでして、例えば『高額療養費制度の使用目的で留学して来ている外国人の存在がある』という発言をしたり、『患者の負担が上限額にとどまるので、いとも簡単に高額な薬剤を使用する医師がいる』と言ってみたり、『高額な薬剤の自覚がなく、服用せず捨てていた複数の患者』などという言い方をされているんですね」

武田「なんかこう『無駄がたくさんある』とか『悪用する人がいる」とかそういうのを並べている感じがしますよね」

勅使川原「ちょっとね、奈良のシカの件も思い出しちゃうような。『どこにそんな留学生がいるんですか?』ということをね、提出資料だけを見ると、なんか本当にひどいことが起きてるなっていう風に把握はしますよね」

この後も、勅使川原さんによる『モヤモヤと異議』が続いています。気になる方は、radikoのタイムフリーでご確認ください。

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