武田砂鉄「もう、全世界的傾向」NY市長選から見える最近のトレンドについての思い
フリーライターの武田砂鉄が生放送でお送りする朝のラジオ番組、『武田砂鉄ラジオマガジン』。11月10日は、月曜レギュラーでドイツ出身の翻訳家・エッセイストのマライ・メントライン氏と、ニューヨーク市長選挙についてトークを繰り広げた。
マライ「今日のトピックは、ニューヨーク市長選、and、片側しか見ない世論とは何か、です。ニューヨーク市長選は日本でも話題になったと思います」
武田「はい」
マライ「そこで、マムダニ氏が勝利しました。最近はオランダ総選挙でも中道左派が勝利するなど、トランプ現象がある中で極右化とか言われてるんですけど、その反動なのかが気になっています。まず、新しい市長はどんな人なのか。ニューヨークはアメリカ最大の都市で、800万人が住んでいます。ただ、東京は23区だけで1000万人が住んでいるから、実は東京よりは小さいんです。まあ、アメリカでは最大の都市なので、ニューヨークの市長が誰になるのかは、もちろんアメリカのニュース的には極めてインパクトがあるわけです。で、11月4日に行われたニューヨークの市長選で、民主党のゾーラン・マムダニ氏が当選しました。彼はまだ若いんですよ。34歳、史上最年少。あと、初のイスラム教徒の市長なんです。すごく興味深い経歴を持っている方で、ウガンダ生まれでインド系移民。で、イスラム教徒だということで選挙戦の時は、イスラム教徒が当選すると、ハラルという概念があるからニューヨークでお酒が買えなくなるかもしれない、みたいなデマが流れてたんですけど、もちろんそんなことはありません。ただ、イスラム教徒のコミュニティにとっては「あ、イスラム教徒でもトップに立つことってあるんだ」っていうとても嬉しいニュースだったんですね。マムダニ氏は経歴が面白くて、ラッパーをやっていたこともあるんですね。だから言葉がうまい、ということは言えると思います」
武田「なるほど」
マライ「お父さんはコロンビア大学の教授、お母さんは有名な映画監督のミーラー・ナーイルさんです。リスナーの中にも『モンスーン・ウェディング』などご覧になった方がいるかもしれません。カンヌで観客賞を取ったりとかする本当に有名な監督なんです。そしてマムダニ氏の妻も有名で、シリア系のアーティストをやってるんですね。彼女は彼の選挙活動を支えていて、SNSの動画を撮影したりして、そのネット戦略は今回極めて影響があったと言われています。若いセンスで勝負したという印象が強いんです。だから、SNSをそこまで見てない層からすると「え、この人なんか急に人気が出たんだけど、どこから現れたの?」っていう感じで。でも、SNSではもうめちゃくちゃ人気者になってたっていう、そういう流れだったわけですね」
武田「言葉が上手ならば、それこそSNSの短い動画とか、そういうのでもやっぱりインパクトを残しやすいってことですよね」
マライ「そうですね。確かに若さもあるでしょうし、短い動画を上手く使える人が最近のトレンドだと選挙では有利になると。それはいいこともあれば、ちょっと問題だなと私も思ったりするんですけど」
武田「本当に。もう、全世界的傾向ですよね」
マライ「まさにそれ」
武田「短い動画でね」
マライ「ただ、いろんな問題は短く言えないのになあって私は思うんですけど。まあ、そういうのがあって。マムダニ市長は自分のことを『民主社会主義者』だと」
武田「民主社会主義者?」
マライ「そう、社会主義者って公言してるんですね。どんな根拠から言ってるのかっていうと…」
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