プチ鹿島、「過激なSNSに忖度する政治家たち」について嘆く。
フリーライターの武田砂鉄が生放送でお送りする朝の生ワイド「武田砂鉄ラジオマガジン」(文化放送)。11月13日(木)8時台のコーナー「ラジマガコラム」では、木曜前半レギュラーの時事芸人・プチ鹿島が、過激なSNSに忖度する政治家たちの傾向や問題について語った。
プチ鹿島「昨日ですか、東京新聞を見ていたら、NHKのニュース番組内で高市総理らの映像の画角が斜めになっているとして、『不安や緊張感を与える悪質な報道だ』っていう憶測がSNS上で広まっているという記事があったんです。
僕、これ自体知らなかったんですけど、きっかけは日本保守党の百田尚樹代表の声を皮切りに、批判がどうやら広がったというんですよね。
具体的にじゃあどんな絵面だったのかって言ったら、新政権の閣僚が総理官邸の階段を降りてくるシーンありますよね? その時にカメラを回転させるような動きで撮影したとか、あと高市さんが会見で受け答えする様子を5秒ほど斜めの画角で映すと。『これはちょっと悪質じゃないか』みたいな主張らしいんですけど、記事では実際、本当に悪意があるのかどうかをメディアの専門家やメディア論の教授に聞きに行ってるんですけど、その教授曰く『映像の文脈からすると、発足したばかりで前途多難という雰囲気を出したかったんじゃないか、そんな悪意は感じられないんだけど』って言うんです。
で、NHKの広報局にも聞いてるんですけど、実はこれ撮影手法のひとつとして、今までも使用していると。歴代政権が発足した際も、こうした撮影の方法はやってるということなんで、『ちょっと考えすぎなのかな?』っていう記事だったんですけど。
じゃあ、なぜこんなことになったのか? 『やっぱりSNS上では政治的な話題は議論ではなく、相手を倒すバトルの様相となっている』と、早稲田大学のジャーナリズム論の教授の方がコメントしていて、『特に高市総理の支持層にはSNSを利用する人が多い可能性があり、誕生してから高市政権がメディアへの風当たりが強くなっているのでは?』と。これを読んで僕も『確かにそうだな』と。高市さんの支持層って、いわゆるオールドメディア批判とか、マスゴミ批判となんか相性が良さそうじゃないですか。だからこれを機にちょっと注目するものがあると、こういう言説が出てくるんじゃないかな?』と思ったんですが」
武田砂鉄「うん」
鹿島「ただですよ、もう発足してからすでにこういう兆候って色々あって、応援するのはいいんですけど問題の論点が妙なところに行っているものもあるんですよね。
例えば、最近では2つあります。国会の野次の話と、国会の質問通告。この2つが結構象徴されてるんじゃないかな、と思いまして。野次は所信表明演説で、野次を飛ばした立憲民主党の議員の行為が、テレビのニュース映像で誰か特定されてネット上で批判問題されたというんですよね。
僕が驚いたのはこの後で、立憲の代表の野田さんが記者会見でわざわざこれ野次を飛ばした若手議員に『まあまあ、人の話をまずしっかり聞こう』と伝えたと、明らかにしたんですよね。僕『これ必要かな?』と思いました。『いわゆるSNSの論調を必要以上に恐れてるんじゃないかな?』って。
まあ、陰で注意すればいいことですよね? 『注意しました』って言って火消しに走ってるということで、僕は野次そのものに関しては、本当は国会の野次って、当意即妙に短くパンといったりとか、短さと分かりやすさが重要だと思ってるので。
理想を言えばですよ、言われた本人や与党側もちょっとクスッと笑ってしまうような、苦笑いしてしまうような野次ですよね。これは風刺漫画でもそうなんですけど。それで言うとあの野次は確かに長かった」
武田「ちょっと『間』がね、悪かったですよね」
鹿島「あと、他に野党が集団で何か言うと『えーっ?』ていうのもあるじゃないですか。僕あれもなんか苦手で、好みじゃないんですけど。
でも、まあ好みじゃないって、その手で終わる話なんですよね。
別に『黙れ!』とか『もう二度と言うな!』みたいな、そこまで言論をどうたらっていう話にはならないじゃないですか。
だから今回の野次批判に関して思うのが批判に乗じて『高市さんに文句を言うな!』とか『迷惑かけるな!』みたいな圧が、すごく変換してる可能性があって。それは贔屓の引き倒しになっちゃうんじゃないかなって僕は思うんですよね」
武田「確かにね、そういうものを今の政権は割と活用しようというかね、そういう動きを作ろうかなっていうのは感じられるところがありますよね」
鹿島「やっぱり過剰反応してしまう野田さんもそうだし。これ維新の吉村代表なんかもSNSで『あの野次が仕事になるんだから国会議員の定数大幅削減だよ』ってトンチンカンな乗っかり方をするわけですよ」
武田「全然話違いますよね!」
鹿島「そういう人たちって、やっぱり乗っかってくるんですよ」
武田「それも吉村さん的に結論の言葉が決まってて、上に何を乗っけるかってことですよね」
鹿島「そうですそうです。土台がおかしいのにそこでさらに土台が乗っかってきてっていう、でもそれがやっぱり共感を得たりして『なんだかな』と思うんですけどもね」
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