プチ鹿島、「高市有事」から時空を超えて新聞読み比べ!その醍醐味を伝授。

プチ鹿島、「高市有事」から時空を超えて新聞読み比べ!その醍醐味を伝授。

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フリーライターの武田砂鉄が生放送でお送りする朝の生ワイド「武田砂鉄ラジオマガジン」(文化放送)。11月20日(木)8時台のコーナー「ラジマガコラム」では、木曜前半レギュラーの時事芸人・プチ鹿島が、先日問題になった「高市発言」を元に、各新聞記事の読み比べの醍醐味について語った。

プチ鹿島「今日のタイトルは『“高市有事”を時空を超えて読み比べ。気になった記事はこれだ!』と」

武田砂鉄「時空を超えちゃう?」

鹿島「はい。今回“高市有事”と文春オンラインのコラムで書いたんですが、これただ僕だけが言ってるんじゃなくて、きのうの日刊スポーツの『政界地獄耳』というコラムでも『これで事態は“高市有事”となった』と書いてるので、思わず表現が揃ってしまったんですが、ただこれ『時空を超えて』っていうのが、新聞読み比べ的にすごく感慨深くて。今回は新聞の読み方について、ちょっとお話しさせてもらおうと思うんですね。
まず前半は、10年前の高市さんの答弁の記事から振り返ろうと思うんです。
10年前に何があったかっていうと、今回の存立危機事態に関連するそもそもの安全保障関連法・安保法制がありましたが、これを思い出しながら各種の論調をおさらいしたいんですけど、例えば今回高市政権でも世論調査の質問の仕方とかね、それこそ『存立危機事態、どう思いますか?』とかちょっとこう雑な聞き方とかが話題になったじゃないですか。
そうなんです、『新聞のキャラの違い』とか『スタンスの違い』っていうのが、10年前のこの安保法制を巡る世論調査でも面白かったんですが、ちょっとそれをおさらいしてみたいと思います。
2015年9月17日に参議院の特別委員会で安保関連法案が採決された。この時、世論調査でどういう質問の立て方をしたか。朝日新聞の質問を読みますね。『安全保障関連法は参議院の委員会で採決が強行され、本会議で可決成立しました。国会でのこうした進め方は良かったと思いますか? 良くなかったと思いますか?』……朝日は採決が強行されると質問文に書いているんですね、あれは強行採決だったと伝えている。選択肢が『良かったか? 良くなかったか?』って尋ねられたら、『良くなかった』が67%だったんですね」

武田「それだって『強引にやりましたけどどうでしたか?』って言われたら、『いや強引にやるのは良くないでしょう』って答えますよね?」

鹿島「次に毎日新聞。『安全保障関連法を審議した参議院の特別委員会では野党が入り口を封鎖するなどして採決に反対し、与党は質疑を打ち切って強行採決しました。あなたは与党が強行採決をしたことを問題だと思いますか?』……これ、問題だから65%だったんですが、毎日の問い方は野党が入り口を封鎖するなどしたことと、与党が審議を打ち切って強行採決をしたっていうのを並べて聞いてるんですが、ただ質問は『強行採決したことを問題だと思いますか』。だから僕、朝日よりさらにちょっと厳しい問い方だなと思ったんですよね」

武田「朝日は前段として強行採決を使ったけど、毎日は『強行採決どうでしたか?』という風に聞いてるの?」

鹿島「そうなんです。新聞によって聞き方に色々差があって面白いですね。
読売新聞。『安全保障関連法は野党の多くが採決に反対する中、参議院本会議で自民党と公明党と野党の一部の賛成多数で可決されて成立しました。与党が採決をしたことは適切だと思いますか? 適切ではないと思いますか?』ということで、朝日毎日は『強行採決』って表現したんですが、読売は『与党が採決をした』っていう言い方なんですよね。しかもこれよく読むと、前段になっている与野党が揉み合いになった参議院の特別委員会のことを聞いているんじゃなくて、その後の参議院本会議の可決について聞いてるんですよ。だから揉み合いになった強行採決のことじゃないことを聞いてるんですよね」

武田「なんか絶妙というか、巧妙にずらしてるんですよね」

鹿島「じゃあ産経新聞の質問の仕方はどうだったか。『参院平和安全法制特別委員会での採決は、与野党議員が揉み合う混乱状態で終了しました。こうした事態の責任は与党側にあるのか? 野党側にあるのか?』これも揉み合いの責任を聞いてるわけですよ。そうするとこれ、一番多かったのが『与野党両方に責任がある』が57%。だからこれ『どっちもどっち。みんなが悪いよね』っていう聞き方にあるし、ちょっとお誘いしてる感じがして、なかなかアクロバティックだなと思ったんですよね」

武田「大体やっぱりこの新聞の世論調査の設問っていうのは、よーく読むと意向が隠れてるってことなんですよね」

鹿島「だからそれを読んだ上でどういうことを聞きたいのかな? 言いたいのかな? っていうのがまず新聞の読み方ね。もちろん批判もあるんですけど、これも重要だなと思ったんです」

ひとつの事実も新聞によってこんなに違う……この後もさらに「プチ鹿島流新聞読み比べ講座」は続きます。気になる方はradikoのタイムフリーでご確認ください。

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