台湾有事をめぐる高市総理の発言。自衛隊関係者はどう捉えている?

台湾有事をめぐる高市総理の発言。自衛隊関係者はどう捉えている?

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11月21日(金)、ニュースキャスター・長野智子がパーソナリティを務めるラジオ番組「長野智子アップデート」(文化放送・15時30分~17時)が放送。午後3時台「アップデート・コラム」のコーナーでは、「日本政治で、今、気になる3つのポイント」というテーマで、ジャーナリストの鈴木哲夫氏に話を伺った。

長野智子「鈴木さんが気になる3つのポイント、1つ目が“高市総理の発言・問題点の深掘り”、2つ目が“危険水域、政治とSNS”、3つ目が“未曾有の熊有事”です。時間内でいけるところまでということで……(笑)。まずは、高市総理の発言からぜひお聞かせください」

鈴木哲夫「(台湾有事をめぐる発言に関して)いろんなところに色々と波及していて、まぁザックリ言うと『軍事的に介入していきます』っていう話ですよね。こういう発言があって、それで中国が『ふざけんな』と。『やる気か?』みたいなことで。いま、いろんなカードを切ってきているわけですよね。日本に旅行するなとか経済的な問題とかレアアースも今後どうなるかとかビクビクしなくちゃいけなくなる。日本はというと、それに対して『いやいや、具体的なケースを言ったわけじゃなくて、いろんなことが考えられるうちの一つだ』みたいなことだったわけですよね。だけど『撤回はしない』と。『なんとか解決の糸口を…!』みたいなことでやっているんだけれども。大事な視点が一つ抜けていると思ったのは、外務省とか経産省とか色々やり取りはあるんだけれども、その中で僕は一番の当事者は誰かというと自衛隊だと思うんですよね」

長野「そうですね」

鈴木「自衛隊が集団的自衛権にしても何にしても軍事的に……っていうことになるんで」

長野「もし存立危機事態が認められたら行くっていう人たちですもんね?」

鈴木「そうなんですよね。自衛隊そのものが今回の発言をどういうふうに捉えているのかというと、(取材時に)自衛隊の現役たちはなかなか口が重い感じがありました。この前までやっていた自衛隊のOBの人にも話を聞いたんですよ。自衛隊からすると、あの高市発言っていうのはどういう評価かっていうと、簡単に言うと『手の内を見せちゃった』っていうんですね」

長野「うーん、なるほどぉ」

鈴木「“手の内”って何かというと、台湾有事が起きても起きなくても、日本はその時どうするかは『その時になってみないとわからない』という曖昧な返事をこれまでずっとしてきた。で、これが中国からすると一番の脅威らしいんです。なぜかというと、中国は台湾有事とか日本がどういうふうに軍事的な介入をしてくるか、行動するかっていうのをものすごく知りたがっていて。中国からいろんな政府関係者とか情報関係者とか来るんですけれども、これを探っているんですって」

長野「なるほどぉ」

鈴木「『台湾有事の時に日本はどうするの?』って。それに対しての一番効果的な答えは『さぁ……わかんない』。それが一番中国に対してのブラフというか」

長野「『まぁその時々の状況で対応していきます』みたいな感じの?」

鈴木「そうそう。だから中国からすると『日本がどう動くかわかんないぞ…?』というのが一番効果的なカードなんですってね。だから安全保障の戦術的・戦略的に言わない、手の内を明かさないっていうのが軍事的には一つ大きなポイントだったんだって。『こんなのわかりませんよ』っていうのが一番中国を威圧していたのに『介入』って言っちゃったから、表現としては『手の内を明かした』と。ここが問題なんだというふうに言ってましたよね」

「長野智子アップデート」は毎週月曜~金曜の午後3時30分~5時、文化放送
(FM91.6MHz、 AM1134kHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間
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