片岡亀蔵さん急逝「瞬間の演技は忘れられない」噺家・春風亭一蔵が共演の思い出語る

片岡亀蔵さん急逝「瞬間の演技は忘れられない」噺家・春風亭一蔵が共演の思い出語る

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落語家の春風亭一蔵がパーソナリティを務めるラジオ番組『春風亭一蔵 ラジオマガジンフライデー!』(文化放送・金曜日午前8〜11時30分) 11月28日の放送は、パートナーの水谷加奈アナウンサーとともに、気になるニュースについてトークを繰り広げた。

水谷「一蔵さんが気になったニュースは何でしょうか?」

一蔵「今週はもうこれっていうのが、スポニチの記事で『歌舞伎俳優・片岡亀蔵さん 火災によって死亡 64歳』というニュースです。

わたくしの師匠は春風亭一朝と申しまして、その師匠の奥様、我々にとっては女将さんが、この亀蔵さんのお姉ちゃんなんですよ。つまりは先代の片岡市蔵さんの娘で、3人姉弟なんですけど、うちの師匠の女将さんが一番上。その下が今の片岡市蔵さんで、その弟が今回お亡くなりになった亀蔵さんなんですね。

一報を見たのは、当日の何時だったっけな。その記事をうちの弟子が見つけて「これ本当ですか?」って入ってきて。ええっ!?と思って。そんなわけないと思ったんですけれども、すぐに女将さんに「大丈夫ですか?」って言ったら、もう急なことでね、「もう何とも言えないわよ」っておっしゃってて。それで「何かできることがあったら何でも言ってください」って言ってから、僕は連絡取ってないんで、今、女将さんがすごい心配なんです。というのは、女将さんのお父様の先代の片岡市蔵さんも不慮の事故で亡くなってるので、2人の身内を不慮の事故で亡くすというのは本当に辛いと思うので心配なんです。

亀蔵さんといえば、私がもちろん初めて喋った歌舞伎役者さんです。お正月は、うちの師匠の家に、市蔵さんと亀蔵さんがご挨拶にいらっしゃるんです。亀蔵さんの方がだいたい早くて、それでお話ししたのが初めてなんですけど、何年か前にね、『らくだ』という落語で共演したんですよ」

水谷「共演ってどういうことですか?」

一蔵「共演っていうか、『らくだ』って歌舞伎にもなってますよね。その、らくだ役を亀蔵さんがやった年の年末に、うちの一門会があって、春風亭一之輔師匠が『らくだ』の落語を普通にやってる横で、一花さんが『らくだ』に出てくる屑屋さん、私がらくだの兄貴分、そして、らくだ役を亀蔵さんが演じたんです。

場所は『銀座ブロッサム』というところで歌舞伎座が近いので、歌舞伎座で本物の白塗りの化粧をしてきてくれて。『らくだ』という落語は後で調べていただきたいんですけど、わたくしが、らくだの体を持って踊らせる役だったんです。亀蔵さんが袖から出るちょっと前に「一蔵くん」と。「はい」って言ったら「本気で力入れるから。でも、自信持って、どこ触ってもいいから、しっかりと演じなさいよ」って言われたんですよ。それで出たら、もう、あの時の重みとか忘れられないぐらいズドーン!と僕に寄っかかってくれて。

らくださんは、もうお亡くなりになってる設定ですから、その役を亀蔵さんは全力で、もう全くどこにも力が入ってないんじゃないかっていうぐらい。でも、立っててくれてるんですけど、重みを感じさせて、私が一生懸命やったあの時の、ズドーン!と言う、亀蔵さんのスイッチが入った瞬間の演技っていうのは忘れられない」

水谷「これは一蔵さんにとっても貴重な体験ですよね」

一蔵「いや、もう宝だし。僕は『らくだ』よくやるんですけど、踊るシーンは、もちろん亀蔵さんの演じたらくだはいないんですが、その重みを手に感じながら今やってるんです。だから、より深みが出るっていうのは、こういうことを言うんじゃないのかなっていう経験をさせていただいた亀蔵さんが、64歳という若さでお亡くなりになって」

水谷「名脇役ですよね」

一蔵「本当そうなんですよ、御冥福をお祈りいたします」

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「春風亭一蔵 ラジオマガジンフライデー!」は金曜日朝8〜11時30分、文化放送(FM91.6MHz、AM1134kHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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