勅使川原真衣の新しい考察。「頭がいい人、悪い人って一体何！？」

勅使川原真衣「『あの人は頭がいい』とか『頭が悪い』とか、色んなこと言いますが、『あれ何なのかな？』っていうのを今日は素朴に考えたいと思ってます。
元ネタがありまして、11月28日の正午頃のニュースでしたけども、英語のスピーキングテストを行っていた、東京都練馬区にある私立武蔵高等学校中学校ですかね、その中1のクラスで生徒がミニカッターでクラスメイトを切りつけるという事件が起きました。ご存知ないですか？」

武田砂鉄「知らなかったですね」

勅使川原「幸い軽傷ということで、不幸中の幸いだなと思うんですけども、それ以外の詳細はよく分かりません。ただ同じ日の夜に校長他が会見を開いていまして、それをちょっと見たんですけども『2人の間でのトラブルなどは把握していません。また、いじめに遭っていたとか、そのようなことはございません』という風に校長が言い切ってたんですよね。
『これ、言い切るのはもうちょっと早すぎるんじゃないかな？』っていうのはちょっと思ったんですけども、調べた方がいいかなと思いつつ、報道各社はですね、こういう時って必ず『男子御三家』とか『名門』とか記事に入れた上で学校名とともに報じるっていうパターンがあるような気がします」

武田「『男子御三家』とか『名門校』っていうのを明記するってことですね？」

勅使川原「そうなんですよ。入るんですよね。下世話な話ですけども『男子御三家』って、ちなみに何か砂鉄さんご存知ですか？」

武田「私、中学受験やりましたんで。開成・武蔵・麻布。ずっと30年変わってないですよ」

勅使川原「30年ですね。受験偏差値が高いってことは、彼らは頭がいいという風に一般的にはされていると思いますし、頭がいい人しか入れない大学におそらく中高を経て行くんでしょう。その後どうなるかって当然頭がいい人にしかなれないとされる職業に就いたりとか、そういう会社に入って行くっていうのが定石だと思います。
それを人は『進学実績』と呼んで、教育効果が高い学校イコール名門校、御三家みたいな形で認識されているのが一般論と思いますが、どうなんでしょうか？
『頭がいい』って何ですか？」

武田「最近本屋さんに行くと『頭がいい人のための何とかかんとか』『本当に頭がいい人になるために』みたいな本がありますけど、それを読むのが実際に頭がいい子かどうか？　　っていうのは、やや思うことありますけどね」

勅使川原「言ってくださってありがとうございます。本当そうなんですよね。何があったか分かんないですけども、武蔵の件も同級生をね、いじめでもなくカッターで傷つけるってことがもしあるとしたら『どういうことやねん？』と思うわけですよ。
『偏差値が高いって正義なんだろうか？』『もしかして受験に強い人ほど欠けやすい視点みたいなものが、実はあるんじゃないかな？』ということも考えたいと思います。
考えるにあたりまして、参照してみたいものがあります。『受験総合研究所』、通称『受総研』っていう組織ですが、ご存知ですか？　Xでも十何万人ものフォロワーがいるようなところで、『中学受験　子供の人生を本気で考えた受験校選び戦略』っていう本も出してたり、Xでは日々『最新版東京大学合格者数ランキング』みたいなのをよく出して、高校名がバーッて羅列されてたり。ちなみに理系男子が選ぶ1位、業界だけでも当てられますか？」

武田「文化放送でないことは多分確か（笑）」

西村志野「笑っちゃいました（笑）。メーカー系ですか？」

勅使川原「答えは丸紅さんでした。五大商社の１つですね。
細かいことはいいんですけども、要するに『学校から労働までを受総研さんっていうのは序列で考えてるところなんだな』とか、『優劣とか勝ち負けみたいな感じで捉えてるんだな』というのは分かります」

勅使川原さんの講義はここからが本番です。気になる方はradikoのタイムフリーでご確認ください。

「武田砂鉄 ラジオマガジン」は月曜～木曜 8:00～11:30、文化放送（FM91.6MHz、AM1134kHz、radiko）で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。