「発表してからツッコまれるまでが流行語大賞」。プチ鹿島が猛烈にツッコむ!
フリーライターの武田砂鉄が生放送でお送りする朝の生ワイド「武田砂鉄ラジオマガジン」(文化放送)。12月4日(木)8時台のコーナー「ラジマガコラム」では、木曜前半レギュラーの時事芸人・プチ鹿島が「今年の新語・流行語大賞」に、辛辣に斬り込んだ。
プチ鹿島「いわゆる『新語・流行語大賞』が発表されましたけども、『家に帰るまでが遠足』という言葉がありますが、発表されてから『いや他にもっとあるだろう』とか『そんなの流行ってねーよ!』とか、ツッコまれるまでが流行語大賞だと思うので、このコーナーでもワイワイとやらせていただこうと思います。
年間大賞は高市総理の『働いて働いて働いて働いて働いてまいります』でしたよね。自民党総裁選に勝利した直後のスピーチで、確かに話題になりましたよね。
で、選考理由ですよ。この番組でももうすでに報じてると思うんですけども、働き方改革推進に取り組む経済界は、度肝を抜かれた。その上でこういうことも言ってるわけですよ。
『共感した昭和世代も、実は多かったのではないか』。昭和を回顧してるわけですよね。
『強靭で幸福な日本を作っていこうではありませんか!』と。なんかちょっとざわざわするし、なんか首相応援みたいな肯定的な理由ですよね。
ただ、あの時の言葉ってのは確かにインパクトがあったので、ノミネートされる理由も分かるんですけども、あの前後の文章をもう1回こう読んでみると、もっと他にもインパクトあった部分はあるんじゃないですかと思うんですよね。ちょっと再現してみますね。
『もう全員に働いていただきます。馬車馬のように働いていただきます。私自身もワークライフバランスという言葉を捨てますので……』で、大賞の『働いて働いて云々』と。
今回のどうですか? これ。この中で僕やっぱりインパクトあったのは『私自身もワークライフバランスという言葉を捨てます』。『ワークライフバランス』というところに良くも悪くも脚光浴びせたじゃないですか。じゃあ『ワークライフバランス』っていう言葉がノミネートされたり、もっと言うと『ワークライフバランスを捨てます』が大賞でも良かったんじゃないかなと」
武田「うん」
鹿島「『同じこの文脈が対象になるんだったら、もっとインパクトあったじゃないですか?』と思うんですよ。じゃあ、なんでここがノミネートされなかったのか、ダメだったのかなと、勝手に考えるんですけど、やっぱり『ワークライフバランス』っていう言葉を選んでしまうと、そこには高市総理に対する批評性というか、論評性が出てしまうからではないかなと思うんですよね。
『ワークライフバランス』ってこれ論議になってるし、実際論議になったからこれ選びましたけど、じゃあ高市さんもっと言うんですよ。『受賞式出席してくれますか?』って言ったら、多分欠席だったと思うんですよね。だから高市さんに出席してもらうんだったら、やはり『ワークライフバランス』よりは、何らかの賛否も賛同も含めた『働いて働いて働いて……まいります』の方が、出席ありきだったら……」
武田「出席ありきね」
鹿島「ね! で、イベントや宣伝効果を考えたら、こういった総理への賛辞も感じられるような言葉の方が良かったのかなって思っちゃうんですね」
武田「僕もこの間話しましたけども、その『私も』っていう、この『も』が重要で、『私が』じゃなくて『私も』っていう風に言ってるってことは、その前段に、その場に来てる自民党の職員であるとかに、馬車馬のように働いてもらうと。『私も』だからみんな捨てさせてるわけですよね。
この強権性を考えた時に、その後に続くこの『働いて働いて』っていうのも、やはり問題だろうと。これ高市総理は後から『自分に対して言ったことですよ』って言ってるんだけども、だけどそんなことではないっていうのは全体の言葉を見ると分かりますし、先ほど鹿島さんが紹介してくださったこの賞の受賞理由のね、この文章の気持ち悪さっていうのは、なんかこれまでになかった気持ち悪さってのは今までになかったですよね。
昭和世代、興奮してないですよね?」
鹿島「さらにね、これ選考委員の中のやくみつるさんは朝日新聞の取材に対して『高市さんが今後どういう風に働いて働いてくれるんだろうか? ということを注視するきっかけになれば』っていうのが選考理由だったと。
だから高市さんにエールを送ってるようなニュアンスがありますよね。
『注視』……総理がどう我々にとって働いてくれるのか、注目すべきだよという理由で選んだって言ってるんですよね。
つまり流行語大賞を通じて、やくみつるさんは『高市総理のことをこう見た方がいい』とか 見方を提示してるわけですよね。『注目しろ』と言ってるわけですよね。
ただ正直、僕はやくみつるさんのメッセージ、どうでもいいんじゃないかなと思うんですよね。というのはこの感じ、以前の流行大賞にもあって、2014年なんですけど選ばれたのが『集団的自衛権』と『ダメよダメダメ』って日本エレキテル連合のギャグ」
武田「ありましたですね」
鹿島「ありましたよね。この2つが年間大賞に選ばれてるんですよ。
その時やくさんが『2つ並んだ時に一定の意味をなす、巧妙なメッセージを含んでいる』と自分で解説してるんですが、何度も言いますがそういう自分のメッセージで見方を提示するのって、個人的すぎるんじゃないかなと思うんですよね」
この後も、プチ鹿島さんによる「新語・流行語大賞2025」への批評や提案は続きます。気になる方はradikoのタイムフリーでご確認ください。
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