介護保険制度に「改悪」の危機。そもそもどういう制度なのか

介護保険制度に「改悪」の危機。そもそもどういう制度なのか

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ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務める「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日15時~17時、火~金曜日15時~17時35分)、12月8日の放送にジャーナリストの二木啓孝が出演。大きく変わろうとしているという「介護保険制度」について解説した。

二木啓孝「(介護保険の取材をしてきたのは)父親と姉の介護がスタートだったけど、母親のときがいちばん大きかったんですね。介護保険制度を調べ始めたら、じつはよくできている。調べているうちに、介護をしている仲間がだんだんできて。小さなグループをつくって介護の活動をしていると。私は団塊の世代で、同じ世代は介護する立場から、される立場になる。次の世代に風通しの良い介護保険制度を渡したい、という気持ちがずっとある」

長野智子「私は母を看取ったんです。この制度には助けられました。在宅でワンオペでした。母が倒れる2ヶ月前に要介護認定を初めてとったんです。転んで腰を痛めて、これ以上悪くなるとあれだな、と。でも母は『認定を受けたくない。ほかの人に家に入ってきてほしくない』。お願い、私のためだと思って、と受けてもらったら2ヶ月後に倒れて。そのひと月後に亡くなった。受けて良かった、という」

二木「その助かっている介護保険制度。25年前、2000年にスタートしたんですね。介護が必要な人の負担を、家庭だけでなく社会全体で見よう、という画期的な制度で。介護が必要な場合は、認定されれば介護サービス制度が保険料から支払われる。介護は関係ないけど保険料とられているよ、という人は40歳以上から介護保険料をずっと払っている。健康保険と一緒に納める、と。65歳以上から介護保険料は市町村、所属している自治体に払う。いずれにしても介護保険で賄われている、ということです」

鈴木純子(文化放送アナウンサー)「中には介護保険は使わない、という人もいますね」

二木「『私は元気だから、そんなのいいよ』『死ぬときはピンピンコロリだから』と言う。とんでもない話で。そんなの自分で決められない。8割以上はピンコロじゃなくて、ヨタヨタヘロヘロ、バッタリ、となる。僕はヨタヘロと呼んでいる。これが介護保険制度の利用者になる、ということです」

長野「私の母は1ヶ月だったので、長い目で見れば短かった。ピンコロといえるかもしれないけど、その1ヶ月が長いんですね。周りの方、ヘルパーさんの存在、サービスがなかったら無理だったと思います。介護保険制度の予算や財源はどうなっていますか?」

二木「円グラフを想像してください。半分は国です。4分の1は都道府県、市町村。あと4分の1を我々が払っている、と。国が払っている『半分』が14兆3000億あるから、だいたい30兆ぐらいが介護保険で使われ、我々が4分の1を払っている、ということです」

長野「40歳以上は介護保険を支払っている、ことですが、差があるようで?」

二木「あるんですよ。だいたい都内の人は、自治体によっても違うけど6500円から70000円ぐらいかな。去年の介護保険料の全国平均は6200円です。ところが最も高いのは大阪市、9200円。最も安いのは東京の小笠原村、3300円。なんでこうなるの、と思うでしょうが、介護保険料の査定というのは、地域で介護事業者に対する支出が多いところ、介護を受けている人が多いところは負担が大きい。それぞれの地域によって介護保険は違うんですね」

長野「私は頭を何度下げても足りないぐらいお世話になりました。介護職員の仕事は本当に厳しいんですよね」

二木「私も母親の介護で訪問ヘルパーに来てもらって。介護が終わってお茶でも出そうと思ったら『いや、いいんです。次に行かないと。きょうはあと4軒まわりますから』と。本当に大変なんです」

このあとも二木が介護職員の厳しさ、今後の介護保険制度の変化について語り、「はっきり言って改悪です」とも述べた。詳しくはradikoのタイムフリー機能で確認してほしい。

「長野智子アップデート」は毎週月曜午後3時~5時、火曜~金曜午後3時~5時35分、文化放送(FM91.6MHz、AM1134kHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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