木村草太「リプロダクティブ・ヘルス/ライツとは」
将棋の福間香奈女流六冠が、妊娠・出産を理由に事実上不戦敗となるタイトル戦の規定の見直しを求め、日本将棋連盟は規定を一部見直した。12月23日の「武田砂鉄ラジオマガジン(文化放送)」では、東京都立大学大学院教授で憲法学者の木村草太が性と生殖に関する権利について語った。
木村「リプロダクティブ・ヘルス/ライツという言葉がありまして、これは性と生殖に関する権利で1994年にエジプト・カイロで開催された国際人口開発会議で提唱されました。性と生殖を自己決定するんだという権利で色々な権利の基盤となっています。
性暴力を受けないとか、若年での出産を強要されないとか、産休などの制度の権利にもなっています。これがスポーツ界などでも最近注目されるようになってきているんです。
スポーツ選手は非常に激しい運動をしますし、将棋、囲碁、チェスなどは激しく頭脳を使って消耗するということもあり、妊娠・出産された選手は『ゆっくり休んで』というふうに考えてしまいがちです。
ここで想起するのが昨年話題を呼んだNHKの朝ドラ『虎に翼』の一場面。男性のリベラル法学者が妊娠した主人公の女性弁護士に『今は仕事を休んで、 まずは子どもをちゃんと産みなさい』と諭す。
それが主人公を非常に傷つけるというシーンがありました。このように自営業とかスポーツなどの仕事をされている方でも、 本人の意志がまず重要で仕事を休んで子育てに専念したいという人もいれば、 仕事をできるだけ続けたい、できるだけ早く復帰したいという人もいて、本人の意志を尊重できる環境づくりが重要ではないかと色々な業界で考えられているんです。
実は今、 スポーツ団体で妊娠・出産への配慮が進んでいるということで事例を調べてみました。
FIFA国際サッカー連盟では女子選手のキャリアや家庭生活のバランスを尊重するためにクラブチームに妊娠・出産、あるいは養子を迎え入れるための有給休暇を保証したりとか、妊娠しないことを移籍条件にすることは禁止しようという規則を作って徹底し始めているんです」
番組では、この他にも木村草太がリプロダクティブ・ヘルス/ライツについて語っています。もっと聴きたいという方はradikoのタイムフリー機能でお楽しみ下さい。
「武田砂鉄 ラジオマガジン」は月曜~木曜 8:00~11:30、文化放送(FM91.6MHz、AM1134kHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。
※タイムフリーは1週間限定コンテンツです。
※他エリアの放送を聴くにはプレミアム会員になる必要があります。
関連記事
この記事の番組情報